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デブとノッポの二人組 ②「星降る夜につかまえて」

秋野ひとみ「つかまえてシリーズ」全95タイトルを全巻レビュー。
無作為に選び一冊ずつ、順不同にいきます。

2作目「星降る夜につかまえて」1988年

これ、2作目なんだ。
カバーを外して出てきたのがこの「星降る夜につかまえて」だったとき、まずそう考えた。長いシリーズながら2作目ということで色々定まっていないのか表紙の左記子が黒髪じゃない。
トレードマークになってる黒髪ストレートロングじゃない。
普段このカバーをかけているからこの表紙、見おぼえることができなくて、ほんと、記憶にない。驚いた。

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うぴうぴ、って表現に時代を感じる

そしてこのカバー。
ティーンズハートのキャンペーンだったのだろうけど、「うぴうぴ」って時代を感じる。こういう言葉遣い、バブルの頃よく会った覚えが。
88年に出版されたものに91年のキャンペーンカバーがかかっているわけはどうしても思い出せない。違うタイトルのティーンズハートを買ったあとに、この「星降る夜に~」にかけたんだろうけど、13歳くらいの私。
何を思ったんだろう。

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文庫本の価格よ。

文庫本の価格にも驚く。定価370円の本体359円。消費税安っ。
370円でこれを買ったのか。色々ノスタルジー。

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桜崎兄弟の登場作です。黒いスーツのデブとノッポの二人組。
作者の秋野ひとみ先生は何かのあとがきで、この二人をこんなに長く登場するキャラクターにする予定は全然なかった、読者からの人気が高くてそうなった、と。
確かにシリーズ初期には桜崎兄弟は出たり出なかったり安定しない。
出ても由香や左記子とは別行動だったりライバルだったり。
本格的に由香たちの「絶対的な味方」になるまでに、10作くらいはかけている。

読者人気が出たのは、圭一郎さんの人の好さが敵役ながら始めからよく伝わったのと、圭二郎さんの由香とのデート場面がかっこよかったからじゃないかなと思っている。
高校生なのにレストランでワインを飲んじゃうデートには憧れた。

圭一郎さんが由香たちを敵役として縄で縛り上げるなんて、レア中のレアシーンがあるのは多分、これだけなのではないだろうか。

しかし「うぴうぴ」と折原みとさんのイラスト、価格の安さ。

驚きとともに、少女のころの自分の横顔が、ちらっと見えた。



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