
別荘もの 56「危ない夏の夜につかまえて」
秋野ひとみ「つかまえてシリーズ」全95タイトルを全巻レビューするのが目標。無作為に選び一冊ずつ、順不同にいきます。
56作目 「危ない夏の夜につかまえて」1999年
前作いろいろありながらの、ようやく到着した北海道。菊地家の別荘にたどりついた一行は普段どおり、にぎやかに過ごす。
余談が長い。冒頭では食後に始まった「百物語」の様子から。到着からここまでの様子で52ページ使ってる。正直いって、ずっと退屈。
皆の性格によるそれぞれの個性がテンプレのワンパターンすぎて、こういう場面でこの人物がこの人物のここを指摘する、とかこの話題ではあの人があの人をからかう、とか全部まるわかり。全部の会話のパターンに飽きた長年連れ添った相手みたいな気分になりながら読む。長いシリーズの弊害かしら。
このシリーズでは、時々メンバーに近しい人物が殺害される。明なんて実の兄を殺されてる。今回は、菊地さんの昔からの知り合いの女性。
んー、何もなあ。小説に言っても仕方ないけどこの作品はそれが嫌。菊地さんの大事な友人、殺すかあ。って。
内容は、このつかまえてシリーズらしい。不慮の事故を利用したり、犯人のように見せかけた仕掛けがあるとか。由香がそれを解き明かす。
必要以上に長いのは、百物語もそうだけど作者が、「好きな分野を題材にもってきて好きなようにそのことを羅列してる」から。時々こういうの、ある。この作品に関しては薬草。夏至祭。秋野先生この分野お好きなんだろうなと熱量を感じる。
菊地さんが辛い思いをするこの作品は、あまり好きではない。