あの日ミモザで始まった⑬「ミモザの庭でつかまえて」
秋野ひとみ「つかまえてシリーズ」全95タイトルを全巻レビュー。
無作為に選び一冊ずつ、順不同にいきます。
いよいよ、最後の一冊になりました。
13作目「ミモザの庭でつかまえて」1991年
皆川くんが新しい恋をした。
由香と左記子のクラスメイトである彼は、左記子に片思いをしていた。
時々デートをしていたが、左記子はお見合いで、弘毅さんという相手にめぐりあい、皆川くんのことをちゃんとフッた。
そんな皆川くんの、新しい恋。相手は違う高校の生徒で、見かけて一目ぼれしたということで、さっそく一緒に見物に行くことにした二人。
皆川くんの片思いの相手である聡子ちゃんと、その友人の理恵ちゃんに会うと由香たちの探偵ごっこのことを知っているという理恵ちゃんの悩みを聞くことになり、探偵としてその解決に協力することになる。
彼女に届いた数通の脅迫状の謎をとくため、理恵ちゃんの誕生日パーティーに参加することになった、由香と左記子、小林くんと皆川くん。
左記子はいたずら心を起こし、ひそかにあの人を招待してたりして…。
脅迫状のとおり、理恵の大事なものがなくなり、それを隠された場所を解くヒントは「毛糸の粉屋の鍵」という三通目の脅迫状にあった暗号。
それ以前に理恵に届いていた、
「もうチョークを食べるのはやめろ」「もう手を白く塗るのをやめろ」
二通の脅迫状の内容との共通点にその糸口があると考えた三人は、
事件は無事解決し、皆川くんの恋もうまくいき…。
推理小説としてはもちろん、青春ものとしてもとても面白い。
「ミモザの庭でつかまえて」やっぱり、大好きです。
モチーフになっている童話、子どものとき読んだけど、怖かったなあ。
これは、私にとっての「つかまえてシリーズへの入り口」となった作品。
これをシリーズものだと知らずに読んだあの日の自分が、面白いと思ってそれまでのものを揃えその後読み続けなかったら、出版された三十年後、大人になって感想をパソコンに向かって書いているなんてこともなかった。
あなたの「つかまえて好き」考えていたよりずっと遠くまで来たよ。
そんなふうに、あの子と会話してみたい。
これにて全巻レビューは終わりです。
読んでくださった方、本当にありがとうございました。
これから、過去記事の編集とか、マイベストのまとめとか、マガジンの手入れをしてみたい。
いずれは、つかまえてシリーズのファンの方と交流したい、その魅力についてなどを語り合ってみたいと思っています。
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