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寄り道 81「夢のつづきでつかまえて」

秋野ひとみ「つかまえてシリーズ」全95タイトルを全巻レビューするのが目標。無作為に選び一冊ずつ、順不同にいきます。

81作目「夢のつづきでつかまえて」2003年

早く帰ろうよ…。ときどき、こうツッコミたくなる状況がある。事件の帰りに新たな事件に巻き込まれる。さっきの事件から数時間とか。

このような状況の連続は、実世界との時間に流れの差となって由香たちはいつまで未成年なんだ、と少しずつ違和感に変わり、そのままシリーズ終了。

実世界で二か月経ってるのに小説世界では数時間。いつのまにサザエさん方式を取るようになったんだと疑っていたあの頃の私。

前の事件を解決した帰り道。クリスマスツリーを積んだリヤカーを引いて歩く一行。夜道に聞こえてきた女性の悲鳴に気づき現場へ向かう。

こういう方式の場合、残念なのが「事件の見分け(区別)がつかなくなること」なのです。前作のラストでクリスマスツリーを由香たちが調達したとして、それを事務所まで運びますよ~といいながら終わってて、次作はそのツリーを運んでる道中に新しい事件に出会うんだもん。

「クリスマスツリーを運ぶ」で連想される作品が二つ(ときどきそれ以上、シリーズを追うごとにくどくなる)あるわけで、事件の区別がつかず混乱してしまうし、正直言うともうそこはいいから…とダレた気分にもなる。

ということで事件とは別の楽しいシーンが印象に残った。肝心の事件は、お得意の恋愛をからめた真犯人(雑な説明ですみません。)

おにぎり作り。圭一郎さん瑠璃さん菊地さん明くんが、由香たちの帰りを、おにぎり作って待っててくれるところ。つかまえてらしくて楽しかった。

そしてまだ、クリスマスは来ていません。




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