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義実家自営、入社前とっくに鬱々
移住から義実家自営への入社まで半年ほど時間があったが、その間に起こったさまざまな出来事により、
舅のことも姑のことも、入社前には、とっくに嫌いになっていた。
彼らは、わたしの夫となった自分たちの息子のことを、
自分たちの支配下にいる存在と考えているような親で、彼自身の意志を尊重しているようにまったく見えなかった。
そのことは彼らの言動の随所に見られた。
今は息子とあなたを自分たちとは別々に「暮らさせて」いるけどそのうちうちの会社で「働かせる」(私のこと)し、そうすればウチ(義実家)に「住まわせてやる」つもりでいる。
その方がいろいろと都合もいいだろう。
このような物言いを、舅は会うたびに嬉々としてわたしにしてきた。
姑はそれをうなずきながら聞いている。失礼な言葉遣いをたしなめることもない。
わたしはそんな舅姑のことを、「だいぶヤベエな」と直感した。
夫にはあとから、「あなたの親に悪いけど、わたしには受け入れられない考え方です」とはっきり伝えた。
彼は、自分もそう思う、と同調してくれるものの、彼自身は親に反抗できない。
ただ、わたしが彼らに背く分には反対はしないというか期待している感じだった。
ひとりで戦うしかなさそうだな、とうっすら悟った。
自分たちの支配下にある息子にくっついた女である私は、もちろんその一部として当然のように支配下におけるもの。
そんな考えを押し付けてわたしの人生を支配しようとしてくる舅姑とのたたかいは、
移住後半年ほどで義実家自営に入社したところから本格的に始まった。
自分の人生が舅姑の意志で決まっていくことに我慢することは自分の性格上ありえないので、これは早く逃げたほうがいい相手だな、もしくはできる限りの距離をとろう、と決めた。
問題は、義実家自営に入社することは避けられない決定事項だったこと。
これからの日々を思うと、入社する前から、始まってもいないのに鬱々だった。