パッセンジャーズ
PASSENGERS(アメリカ/2008)
監督 ロドリゴ・ガルシア
すっかりVR(Virtual Reality)が身近になってきましたが、VR技術の無い頃、私たちが、映画や小説を通じて仮想現実を体験していたのだ、ということを改めて思い出させてくれる一作です。
作品のどこに触れてもネタバレになってしまう(笑)というこの作品ですが、この映画を味わうには、やはり二度の視聴がオススメだと思います。
一度目は、さらりと鑑賞できてしまいます。
一度目ももちろん、楽しめます。
けれども、視聴二周目。
何気なく目に映っていた光景や、人々の表情が、別の意味を持ちはじめ、うっすらと見えていた物語が、二度目の視聴で色鮮やかに心に届いてきます。
物語の冒頭、大爆発する機体から一転して寝室の映像に切り替わりますが、したたる雨粒がまるで爆発の火の粉の残像のように見える演出が見事です。
窓の外の色も、炎の色に重なります。
すでに本当の物語の片鱗を、無意識下に伝えてくる場面です。
呼び出され、空港に到着したクレアを振り返った男性が、
「hello my dear」
と迎えます。
※ ここからネタバレに入ります。
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