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「休学体験記Vol.4」~屋久島編~

なぜそこに?

今回の屋久島滞在は、私にとって2回目だった。
1回目は、2020年3月。環境系学生未来塾(以下、未来塾)というイベントに参加するため。4泊5日間、屋久島の人と自然に触れながら仲間とともに自分と向き合った時間は、自分の中でとてもとても大事なもので、忘れられない体験となった。
それを機に未来塾にはまってしまった私は、今度はスタッフとして未来塾に参加することに。

それから、今回の滞在の大きな目的はもうひとつ。
それは、屋久島にあるエコビレッジAperuyに滞在すること。これまたきっかけは未来塾。屋久島で生きる大人たちに話を聞きにいく機会が未来塾中にあり、そのときにお話を聞かせていただいた場所のひとつが、このAperuy。普通に日常生活を送っているだけで無意識のうちに環境問題や社会問題に加担してしまう現状を変えたいと感じていた私にとって、できるだけ環境に負荷をかけずに自分の手でつくる暮らしは魅力的に映った。そして今回、その生き方を体験するためにボランティアスタッフという名の居候をしてきました。

経験したこと・感じたこと

①環境系学生未来塾

3/3~3/7の5日間、学生スタッフとして未来塾に参加してきた。
何をしたかというと、ヤクスギランドのトレッキングをしたり、屋久島で暮らす大人にお話を聞いたり、自分を深ぼるワークをやったり。スタッフだからと言って特別に何かをやるわけではなく、ただただ楽しむ係。とは言え、みんなが自然に触れたり自分とつながったりして何かを感じ取っている瞬間をともにすごせることが嬉しくて、スタッフとしての楽しみ方が増えてきた。私が感じたことに関してはまた別の記事で書いてるのでもし興味があればこちらから。

②Aperuy

母屋からのぞく庭の様子。こどもたちが遊んだ跡がある。

次に3/10~3/17の間滞在させていただいたのが、エコビレッジAperuy。
ボランティアスタッフとして一応1日6時間何かしらのお手伝いをしながら、一緒に生活をさせてもらいました。具体的には、雑草を抜いたり、さつまいも掘ったり、鬼ごっこしたり、掃除、たんかん加工、鬼ごっこ、川遊び、鬼ごっこ、etc

一番感じたのは、「あ、できるんだ」ということ。
Aperuyにはサステイナブルな暮らしのための工夫がたくさんあった。
・ご飯もお風呂も全て薪で。
・晴れてる日は太陽光で温めたシャワーを使う。
・トイレットペーパーは捨てずに焚き付けに使う。
・外にあるトイレは微生物に分解してもらって肥料に。
・生ゴミは、ヤギやニワトリに。
・使う水は最小限に。汚れはいらない布きれで拭いてから洗う。もちろん洗剤は使わない。
などなど。それらが暮らしの中で当たり前になっていることを、身をもって体験できた。お肉がなくても毎日おいしいご飯を食べられることも知った。
そして、環境に対する罪悪感が少なくつながりを感じられる生活は、私にとって心地の良いものだった。

それから、個人的にはこどもたちと遊んだ時間がとても大事で。人生で初めて裸足で土の上を駆け回ったり、毛虫投げつけられたり、こどもたちが自分で遊びを開発していく様子を見て、いろいろと感じることがあったし、自分の中の固定概念がまたひとつ外れたような気がした。

また、ストレスフリーな生活だったな、というのも思っていて。
私が滞在している間、他にもボランティアスタッフが2人いて、2人とおしゃべりしながら作業をしたり、得意不得意で役割分担ができたり、楽しくすごせたのは2人のおかげでもある。それから、フリータイムが多いことも心地よくすごせた要因で。共同生活してると1人の時間をとれなくて苦しくなることが多いけど、Aperuyでは好きにすごせる時間もしっかり確保できてすごしやすかった。

そして、一緒に生活をするなかであゆみさんやしゅんぞうさんのもつ哲学に触れられるたが本当によかった。

※私が最終日にAperuyでの生活の感想を話した動画がこちら

③屋久島高校

「屋久島と東京の高校生で何かおもしろいことしましょうよー!」という企画にたまたま私が高校時代お世話になった先生が関わっていて、そこに少し混ぜてもらえることに。これは本当に予想外だった。
しかもずっと行きたかったモスオーシャンハウスで一緒に食事できることに。久々に会った先生は相変わらずの勢いで屋久島の成り立ちの特殊さを力説していて思わず毒舌で返してしまったが、屋久島って生態学的にめちゃくちゃおもしろい場所だったってことを思い出した。そもそも屋久島の自然よりも人から入ってる私の関わり方が特殊だった。

また、幸運にも屋久島高校環境コースの野外実習の見学もさせていただけた。島外から来てる生徒も多く、学力と部活でしか高校を選んでこなかった私からすると新しすぎる選択肢。実際島外から来て通っている子に屋久島高校に来た理由を聞いてみたところ、「楽しそうだったから」と返ってきた。そうだよねそれでいいよね。
先生とも道中たくさんお話をさせていただいた。環境コースで学ぶことで、将来の選択肢を絞っているわけではない。研究する力も、チームで動く力も、全部これから生きる上で活きてくる力だ、という言葉に心動かされた。

まとめ

屋久島滞在全体を通して思ったこと。

・私は、自然が好き。人が好き。地学とか生物学的なことも、自然の中ですごすことも、人と関わることも。そんな好きを再確認した。それと同時に、大切に思う気持ちで溢れる豊かさを感じた。

・今まで、里山とか畑とかの二次的自然って、実は気にくわなかった(笑)。特に生物多様性とか生態系保全の文脈で語られるとき。でも、そんなの関係なしに、外に出て土に触れて、自然とともに生きてる感覚を得られて、いいな、て思った。

・環境負荷が最小限であったり、つながりを感じて生きられる心地よさをとても実感した。というか、東京で暮らしていたときに諦めなきゃいけないことが多くてストレスだったんだなと気づいた。そう思ったときに、じゃあわざわざ東京で会社員をやりたいのはなぜなのだろう?という疑問が湧いてきて。あと、その価値観を共有できる人と生きていきたいなーと思うように。

屋久島で一番お気に入りの場所

そんなこんなで、おそらく休学中一番しあわせとか豊かさを感じながらすごした屋久島滞在でした。

けい水産のお茶漬け。良い一日は朝から決まる。

お家に泊めてくれて車まで貸してくれたりんさん、未来塾で出会ってくれたみんな、短い期間にも関わらず受け入れてくださったAperuyのご家族、一緒にすごしたボランティアスタッフの2人、屋久島高校のプロジェクトに関わる先生方、他にも会いに行ったら覚えててくださった屋久島のみなさん、本当にありがとうございました!
今回の滞在で、ああ、屋久島はきっと今後も関わっていく気がするなーて思いました。これからもよろしくお願いしますm(_ _)m

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