Kさん①:ハラスメントキング
経緯
勤務先ではプロジェクト単位で様々な組織からメンバーを選定し、チームを作って仕事をする。同じチームのメンバーとは数か月の付き合いで終わる場合もあれば、何年も続くこともあるが、そういった流動性の高い環境の中で最も大事なのは”口コミ”だ。メンバー選定が仕事の良し悪しに直結するため「○○さん、前のプロジェクトで一緒だったの?どんな人?」といった問い合わせがくるのは日常茶飯事。そんな”口コミ社会”の中で、圧倒的な低評価を集める人物がいる。
プロフィール:
Kさん。40代前半。一般的には部長にあたる役職で1年前に昇進したばかり。既婚者。
伸長は160㎝前後でずんぐりむっくり、顔立ちもかっこいいとは言い難い。「非モテ」な外見とは対照的に異常なほど自己顕示欲が強く、パワハラ、セクハラの前科は数知れない。数年前、筆者もKさんの下で仕事をしたことがあり、その突飛な言動に耐えられずに逃げ出した経験がある。
年々被害者が増えていて近年は悪い噂しか聞かない。本人にとっても決してプラスにならないはずなのになぜ問題行動を繰り返すのだろうか。
まずはKさんの習性についてまとめてみたい。
Kさんの習性:疑似恋愛中毒
部下の女性を脳内で「彼女」に変換し、「彼女」的な振る舞いを求めてくる。
2人でランチに行っただけで「デートみたいだね」と言われる
すぐに「雑談しない?」とチャットがくる
(他の社員がイケメンだと言われたことに対して)「俺の方がかっこいいよね?」と確認が来る
出張にかこつけて誕生日プレゼントを渡しに自宅付近まで来る
穏便な対応を繰り返すと「イケる」と勘違いし、強硬突破しようとする。
「落ち込んでいるから抱きしめたい」と言われる
タクシーで太ももを触られる
飲みの席で腰に手を回す
飲み会の後に抱きつかれる
Kさんの習性:マウント中毒
常に自分が1番じゃないと許せない。
自分の意見に対して否定的なコメントは徹底的に排除する
会議中に人の意見を遮る
他人の意見はまず否定する
自分よりも秀でたスキル・知識がある人をチームメンバーに加えない
上司に対して「あいつは大したことがない」と裏でこき下ろす
自分の思い通りに周りが動かないと爆発する。
部下の作った資料が気に食わないという理由でライアントとの会議を直前でキャンセルする
仕事がうまくいかなかったことを部下のせいにして八つ当たりする(実際はKさんの指示通りに動いていた)
自分の”モノ”なのか、別の人の”モノ”なのか、と部下に選択を迫る(そもそも部下を”モノ”扱いしないでほしい)
Kさんの習性:承認欲求の塊
自分はすごい、と他人に伝えることで自己暗示をかけている節もある。
仕事に関係なく自分が写った写真を送ってくる
自分の仕事がいかに高い評価を得ているかを切々と語ってくる
自分語り資料を作って送りつけてくる
改めて文章化するとパーフェクトなハラスメント人間、上司として最低だ。しかし、実際に話してみると根は決して悪人ではないと感じるのが不思議だ。明確な悪意があるわけではなく、無意識のうちに何か見えない力に突き動かされているように見えるのだ。
次回はその行動の根底にあるものについて考えてみたい。