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姉妹都市・佐渡へゆく

みなさん、おはこんばんちは。
無会派「グリーンな国分寺」の鈴木ちひろです。

10月26、27日に、佐渡市へ「行政視察」に行ってきました。議員は、他の自治体の先進的な施策や取り組みを現場に赴いて調査するため、行政視察をすることができます。

佐渡市はかつて「佐渡国分寺」を有していた地域。そのご縁で国分寺市と姉妹都市になっています。

佐渡市の先進的な取り組みは、ゼロカーボンアイランドとしての実践、議員が熟議を重ねて手作りする議会だより、高齢化率42%だからこその高齢者に向けての施策などなど、多岐に渡ります。

週刊誌風の「攻めた」議会だより。
思わず読んでみたくなってしまいます。




私のいちばんの関心テーマとしては、やはりゼロカーボンアイランドとしての佐渡市の先進的な取り組みや、世界農業遺産としての取り組みでした。今回は世界農業遺産についての学びをシェアします。

環境保全型農業によって、トキとの共生と生物多様性を重要視する佐渡市。
都市型農業によって、地産地消で循環するまちづくりをめざす国分寺市。
このふたつの異なるロケーション、条件下ではあるが、佐渡独自の取り組みから国分寺の農業へ活かせるヒントを学んできました。

佐渡の農業の特徴

佐渡では稲作がいちばん盛んな一方、年間を通してりんご(寒い土地での栽培に適すもの)からみかん(暖かい土地での栽培に適すもの)まで収穫できることから、「日本の縮図」とも呼ばれ、今なお農業が活発に行われる地域です。

また、「トキと共生する佐渡の里山」は、日本で最初に認定された「世界農業遺産」であり、トキのえさとなるドジョウなどが生息する水田において、「生き物を育む農法」を佐渡市全体で取り組んでいます。


そもそも「世界遺産」は遺跡や歴史的建造物、自然などを手付かずの状態で保存する「歴史重視」なものなのに対し、「世界農業遺産」とは、伝統的な農業システムを時代と環境変化に適応させながら維持、継続していく「未来志向のダイナミックな保全」スタイル。
約2000年前から行われてきた佐渡の農業は、昔ながらの棚田での稲作などを継続しつつ、新しい取り組みとして棚田のオーナー制度や環境保全型農業など、まさに未来志向のダイナミックな保全に取り組んでいるといえると感じました。

特徴的なのは、ネオニコチノイド系農薬の不使用と畦畔の除草剤散布を禁止とした、無農薬無科学肥料栽培。
市の担当課は、「ルール化したことで、爆発的にネオニコの使用が減少した」と話していました。
また、除草剤の散布によるトキの餌となる生き物が減ってしまうことから、除草剤ではなく草刈りを推奨。そのため市は、草刈り機の貸し出しや助成を積極的に行っているそうです。

いずれも行政と農家の綿密なやりとりと信頼関係、そして、トキをはじめとする生き物を守っていくという共通認識を共有しているからこそ成り立つ農業の仕組みであると分析できます。

現状と課題

▽その年の気候などによって、収穫物の質や収量が左右される。今年の米は、夏の猛暑の影響で全体的に白く濁っており、見た目が良くない、など。

▽農業従事者は年々減少傾向であり、年齢構成も高齢者がほとんどの割合を占める。

▽かつて農地だったが今は使われておらず、将来的にも使われない可能性が高い「遊休農地」が多い。

▽新規就農者が減っている。

→佐渡暮らし体験住宅や農業体験など、積極的に新規就農者へのサポートを準備。また、JA佐渡と連携し、就農研修制度を実施しています。
JA佐渡で3年間、JA職員として働きながら農業の知識や技術を身につけ、3年後の新規就農をサポートする制度を設けており、JA佐渡で職員として働きながら就農準備をすることができる制度です。

持続可能な農業がもたらすもの

  • トキの野生定着は年々増加。放鳥個体数は横ばいなのに対して、野生生まれ個体が増加。

  • 定期的に「生きもの調査」を実施し、農家だけではなく子どもたちや集落の人々が世代を超えて田んぼで交流する機会がある。生きもの調査は大学などの研究機関に任せるのではなく、農家が実施することで、自身の取り組みを実感する良い機会となる。

  • 次世代への継承として、佐渡市の小学校給食は100%トキ認証米(一部無農薬)。子どもたちへのアンケートでも好評で、無農薬米の際は食べ残しも減少。「地産地消オーガニック給食プロジェクト」にも挑戦しており、米以外にも、地産地消の農作物を学校給食で提供していく。学校教育の一環としての食育の授業では、認証米を作る農家が自ら出前授業で学校を訪れ、子どもたちは生産者との交流もできる。

→国分寺市でも、こくベジ生産者が学校へ直接出前授業へ出向いたり、農場へ子どもたちが訪れる機会を増やすことで、地域とつながる学びの機会となると思います。
佐渡市の認証米のキーワードである「美味しい」「安心」「応援」があることで、その地域が魅力的になり活性化されるように、同様の効果が期待できるのでは?

  • 子どもたちへ、食育学習にとどまらず、同時に環境学習も行うことで、地域について学べる機会を提供。

→地産地消を大切にする食育の機会に、脱炭素やゼロカーボンといった環境教育を組み込んでいるようです。
国分寺市民も姉妹都市である佐渡市の認証米を味わい、トキとの共生を学ぶことで生物多様性の重要性を学習することができるかもしれません。

ちなみに、世田谷区では数年前から、学校給食で佐渡の認証米を食べることができる日があるそうです。佐渡の米農家さんが実際に訪れ、出前授業をやってくれるとのことでした。

国分寺市では、市内のスーパーや米屋さんでも佐渡産のお米は買えないのだとか。まだまだできることはたくさんありそうです。

ジェットフォイル乗り場にて。

佐渡、とっても良いところでした!
国分寺市民の方なら、おトクに行ける助成制度もありますので、みなさんもぜひ行ってみてくださいね!

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