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カマキリ事件 -初めて見た外の世界-

5歳の頃だったはず
自転車にまたがって保育園の柵の外から園内を見渡していた私の

自転車カゴの中には、大きな大きなカマキリが…

昨日、静岡と福岡で5店舗エステ経営されている超絶尊敬する社長に、私の写真を見て「5歳に見える」といじられました

「どうせ私はキャラクターもんみたいですよ〜」と思いつつ、社長のことは好きだから、許します♪

ただ、ふと思い出したことがあります。

通称”カマキリ事件”…

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私が自転車に乗れるようになったのは、周りの子に比べると割と早かったように思います

友達のお兄ちゃんからもらった真っ黒の”ヒーローものの自転車”は、
練習の甲斐もあり、いろいろなところが傷だらけで、それでも私に、”補助輪のない世界”を教えてくれた初めての自転車になりました

当時、実家の前には団地に囲まれた公園があって、
そこは車が入ってこれないため、
内周をスピードを上げて何周も何周も走らせるのが私の最高の楽しみでした

ただ、ある日

ふと、公園の出口を見ると、私より少し大きな小学生くらいの子が、その出口から外の歩道へ出ていく姿を見ました

なんとも羨ましく、私も”外の世界”が無性に見たくなりました

その日帰ると、早速私は母に自慢げにこう持ちかけました

「私ね〜もう自転車完璧に乗れるんだぁ〜だから、今度自転車でどこかに行くときは、一緒に行ってもいい?」

母は「週末ね」とだけ答えました

それからの毎日、私の胸は躍りました

保育園から帰ってくると、すぐさま自転車に乗り、太陽が落ちてもお腹が空くまでは公園で自転車を走らせました

家に帰っても、お風呂に入るとき、食事をするとき、お布団の中でも、イメトレは欠かしません

まるで、大空高く飛び立つための、羽でも得たように、
そして、大飛行の冒険が決まったかのようなワクワク感でした

保育園で、友達にこう言いました

「今度ねー私、自転車で遠くに行くんだぁ〜」
「えーちーちゃんって、車輪(補助輪のこと)ないの?すごいねー」
「そうだよっ♪」

”鼻が伸びる”
もしかしたら、人生初の鼻が伸びる経験はこの時だったかもしれません

そしてついにやってきた週末

たぶん、自転車で10分も行かないスーパーだったと思います

満を辞して私は真っ黒の自転車の準備をします

するとすぐに母はいつも通り白い自転車を引いてやってきました

「行こうか」
「うんーーーーーーー!」

人生初めて、その”いつもの公園”の出口に向かいました

今までも、歩いては何度も通ったことのあるはずの出口

ただ、自ら乗る自転車からの目線で見る外の世界は、まるで別世界に見え、初めて歩道に出たあの瞬間のワクワク感は、今でも鮮明に覚えています

ただ試練はすぐにやってきました
いつもの公園の道とは違って、歩道の道は狭く、盛り上がっていたり、段があったり、草が生えていたり…

しかも、そんな狭い歩道にもかかわらず、前から人も自転車もやってきます

想定外...

だって、公園ではそんなことは起こりません

さらに、後ろからチリンチリン!!と自転車の鈴の音が…
あたふたしている私にイラついたのか、いや、危ないと思ったのか、何度も...

のっけから波乱尽くめの初・自転車遠征
目的地での出来事はもはや全く覚えていません苦笑

そして帰り道

もうハンドルを持つ腕や、肩に力が入りすぎて、
逆にそれでバランスが取れずヨタヨタするし、緊張しているのに、後ろからはチリンチリン鳴らされるし...

泣きそうです...笑

そしてやっと、”そこの角”を曲がれば家が見える!という交差点
なんとかハンドルを切り、曲がろうと思ったら・・・対向自転車がきて、私はハンドルを切りすぎてしまい・・・

どーーーーーん!
道沿いに咲くツツジの木に自転車ごと突っ込む…

随分前を走っていた母がそれに気付き、戻ってきました

すると母は、自転車を起こしながら
ボソッとこう言いました

「全然乗れてないじゃん。もう連れてこないからね」

ひどくお怒りです…
そらそうだ…

ツツジの葉っぱがカゴにいっぱい刺さった自転車と私は、母によって救出され、
やっと”いつもの公園”に戻ってきました

慣れた公園の道に着くと、なんだかさっきまでの自分が嘘のように
ペダルが軽くなり、スイスイ前に進みました

母は家に戻りました
でも、私は自転車を止めてしまったら、
せき止めているダムが決壊するように涙が溢れそうで、
そのまま公園の内周を何度も何度も自転車で走りました

何度も何度も

そしてその時に思いました

「外の世界は、怖かったなぁ...」

もう少し走れるものだと思っていたのに、
全然走れない自分に気付き、
なんなら怒られた自分が悔しくて、悲しくて、
ものすごく落ち込みました

やっぱり公園がいいや、とも...

でも、私は気づいていました
外の世界には、確実に公園の中では味わえない世界が広がっていたことを...!

そして、ふと自転車のカゴを見ると…

大きな大きな真緑のカマキリが…!
今まで、こんなカマキリ見たことない!

そして思いました

「もし、外の世界へ飛び込んでなかったら、
こんな大きなカマキリには出会えなかったなぁ」

人生初の大空飛行は、ほぼ失敗に終わりました
でも、得たものがあります

それは、”外の世界には私の知らないことがたくさんある”ってこと
何より、”外の世界はまだまだ広いってことに気づけた”こと

これは、仕事にも通じます
なんでも”初めて”の経験はそうそううまくは行きません
想定外のこと、いや、未経験ゆえに想定なんてできないこと
守られた”内”にはなかった壁や山や谷や、坂…

でも、飛び出してみないと、見えない世界がそこにはあります
失敗を恐れて、”内”にいては絶対に見つけられない宝物があるはずです

落ち込んではいたものの、なんだかそのカマキリをどうしても保育園の友達たちに見せたくなって、
公園のすぐ横にあった園まで、自転車で向かいました

そして、園の柵越しに友達を見つけ
大きな声で呼びました

「おーーーーーーい!」
「あれー?ちーちゃん自転車ーーー!どうしたのー?」
「カマキリがいたから見せようと思ってー」

あの時の失敗…いや、成功体験が、今の私のチャレンジ精神の、”原点”かも知れません

勇気を持って外の世界へ飛び出す

これからも、大事にしていきたいです

本日は、「カマキリ事件…笑笑 意気揚々とカマキリを連れて帰ったら、母に恐ろしく怒られました。「えーカマキリいいじゃーん」って言ったら、「バカー!早く放してきなさいーーーー!」と。外で手を離すと、私の初めての冒険で見つけた宝物は、青い空へと飛んでいきました。あの光景が、今も鮮明に残っています」ってお話でした。

学び:社長のおかげで、30分でかけました♪わーい
おしまいー
chihiro


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