美しいのカタチ
今日は珍しく、頭が痛くて薬を飲んだ
ここ最近、いろいろ考え事が多かったからかな
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「聞いてくれますか?一つ私にはできないなぁって思ってることがあって笑」
恥ずかしそうに、二人しかいない部屋なのに少し声を細めたお客様は
こう続けました
「ママ友?あの輪に入れないと思うんですよねぇ笑 家の前に幼稚園バスが止まるんですけどね。見送った後もずっと喋っていて『何しゃべってるんだろうね〜』って笑笑(多分旦那さんと)」
私は、肌や身体に関わることはとことん聞きますが
ご自身で話されるまではプライベートの細かいことは聞かないことにしています
話されたいタイミングで
「私で良ければお聞きする。」
全てのお客様に、そうしてきました
フェイシャルで通い出して6年になるお客様
妊活を続けてもう何年も経つことを初めて打ち明けてくださったのは
まだ去年の今頃のことでした
「こちらでボディも受けさせてもらえますか?」
突然の申し出に驚きながら、
でもそこからは、週1で来店。本当にいろいろなことを話して下さって一緒にたくさん笑っている気がします
竹内まりやさん”いのちの歌”
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そんなお客様に2つの病気が見つかったのは
去年の夏のこと
妊活に少し兆しが見えてきて「ここでの施術効果です!」と喜んでくださっていた矢先でした
妊活はストップ
1つ目の病気の手術はすぐに行われました
ただ術後も、お医者さんにきちんと許可を取り
すぐに来店を再開
そして2つ目の病気
こちらは少し厄介で、手術をすると声帯を失う可能性が高いとのこと
そして、手術をするということは、また妊活に戻れるタイミングはかなり後ろにズレてしまう、とお医者さんに言われたそうです
お客様はこうおっしゃいました
「リスクはありますが、声帯が残せるなら残したいんです。だってもし子供が生まれたら...」
お客様は口ごもりました
私にだって、その真意は十分伝わりました
そして、少しうつむき気味でこう続けました
「とにかく早く妊活を再開したいんです。何もできずに時間だけが過ぎていくのが本当に恐くて。当たり前に過ぎ去っていくこの1分1秒が、いかに大切か。今になってすごく感じます」
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お客様の言葉一つ一つから
「いかに当たり前が当たり前ではないか」
「いかにささやかすぎる日々がかけがえのないものか」
考え直させていただいている気がします
私だって知っているはずの苦しいときや辛いときを、
私はまだまだ人間ができてないので、すぐ忘れてしまうなぁ...
ただただ自分を反省しました
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「近々、改めて検査をして、手術なのか妊活を再開するのか決まるんです。やっと何かしら動くことができそうでホッとしています」
そうおっしゃるお客様に私は、薄っぺらいながら、こんな言葉を返しました
「人は、1ヶ月、いや1年くらいって言うだろうけど、ご本人としては、何も進んでなくて、先が見えない真っ暗な状態が一番辛いですもんね。少しでも前に進めるといいですね」
すると・・・
『いえ。私はここで前に進ませてもらってます。ここに来てから、確実に身体がよくなってるって本当に実感しています。ちひろさんのおかげです』
予想していなかったお客様のお言葉
涙と鼻水をこらえるのに必死でした
同時に、エステティック、いや、私自身のあり方を問われている気がしました
私たちは医療行為はできません
だから「治す」と断言することはできません
でも、このお客様のように「ここに来たら、身体(肌)が良くなっている気がする」
これこそが、私が追求すべき”美しさ”のカタチの一つなんじゃないか?そう思います
「子供ができたら、その勢いで仕事辞めちゃおっかな〜笑」
「いや、無理ですねきっと笑」
「えぇ〜ゆっくりしたいですもん」
「ゆっくりなんてできませんって笑 数年後『仕事してたほうが楽です〜』って愚痴、聞いてあげますって笑笑」
「(二人で)大爆笑」
明るいお店...です
お客様が帰られた後、笑顔が思い出されて号泣してしまいました
どうか神様。お客様の命と笑顔を、お守りください
心からそう願います
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今、飲んだ頭痛薬が効いたのか、やっと起き上がって、パソコンに向かっている
結局私は...仕事が好きなんだと思う
それは、こういうお客様に出逢わせていただいたから
そのすべてに...ありがとうを伝えたい
本日は「施術は1時間半なのに、その後1時間くらい喋った。笑 合わせて2時間半。笑いあり、涙あり、ドラマや映画の話もあり...これが私の目指す美しいのカタチ。改めてそう思いましたとさ」
学び:2000字にまとめるのめんどくさいから今日は諦めた
おしまいー
chihiro