第一志望に落ちた君へ


(*この話はフィクションの可能性があります。)


我が人生初の面接に挑む


ワイは人生初面接で第一志望に落ちた。

呆然とするワイ。何も知らない家族。寝ている犬。

腹は減る。涙は出ない。胸焼けと胃痛。

スケジュール帳から御社の名前をいつまでも消せない。

自分に対する怒りと落胆。

こうしてワイの就職活動は始まった。


新しい第一志望を見つける


年末に第一志望に落ちてからは同業他社を受けまくった。

そこで新たな第一志望を見つける。ここに行ってあの会社を見返す。

これがワイのモチベーションになった。

ここに行く。それだけを考えて四ヶ月行動した。


就職活動の軸を一つ決めた。それは自分が正直であれる会社。


ついていい嘘は一つ。「御社が第一志望です。」のみ


嘘をついて受かっても自分は喜べないと分かっていたので

上の嘘以外はつかなかった。

ガクチカの数字や活動内容は真実のみを語った。

別にかっこつける為ではない事は強調したい。

これで落ちたらそんな企業は知らん。見る目がない。

どこぞの海賊より傲慢だと思う。


年始から三月解禁まで


結論から言います。

行きたい企業のESは通った。ついでに以前の第一志望もESを出した。

なぜか通った。

ここを蹴って新しい第一志望に行く。


主人公になった気がした。


その為に必要な要素を全て洗い出した。

ちなみに自己分析はしていない。

必要な人もいるだろうが、ワイの人間性はそこまで一貫性がない。

面接で刺さるフレーズを考える事に時間を割いた。


自己分析をしなかったのは

何十時間も自己分析をしても自分というものは分からないのに

三十分でそれを伝えられるのか分からなかったからだ。


別に自己分析を否定している訳ではない。

やりたい人はやったらいいと思う。恐らくマストではない。

バレンタインみたいな物だと思ってる。

あってもいい。なくても困らない。


六月解禁


またまた結論から言うと最終面接まで来た。

以前の第一志望と新しい第一志望どちらも。

ついでに第三~第六志望まで全て最終面接まで行った。

これは快挙だと思う。

準備はしてきたが運が大きかった。


自分が今後就活支援をしたとしても、「運がよかった」と言うと思う。

面接官さんありがとう。

酒の失敗の話しかしてないのに。

ほろよいで酔っ払った話をしたら通った会社は大好きだ。


最終面接


対面最終面接が五つあった。

名だたる大企業のオフィスに行って圧倒される。

田舎者には東京の道は難しい。

タクシーの運転手に二回も割引してもらった。

ありがとう。圭司さん。上の名前は忘れた。すまん。


第一志望の最終面接の結果は惨敗。


また第一志望に落ちた。


結果的に最終面接を1社辞退して

4社の選考を受けた。

内定は3/4。しかし第一志望には落ちる。

(詳細を書いておくと、第一志望から1週間たっても連絡は来なかった。)


自分は大した事ないなと今更気づく。

笑顔は消えた。食欲も消えた。情けなさは増した。


帰省


周りの友人は続々と合格していく。

報告を受ける時に自分の笑顔が死んでいくのが分かる。

でも本心から嬉しかった。妬みはない。悔しさはあった。


しかし、面接から10日が経過した後に衝撃の事実が起こる。


第一志望から最終面接の結果メールが来た


千尋様には内定者面談会に来ていただきたいです。

交通費の件で連絡させていただきました。


「?????」

「受かったのか?」

「まだ電話来てないけど?」



企業に問い合わせした。



結果は誤送信。


情けない。人事のちょっとしたミスはここまで学生の気持ちは死ぬのか。

仕事に責任を持つと決めた。


その後、ピザを食って寝た。

その企業の誰よりも稼ぐと決めた。


頼みの綱だと思って握ったのはただの雑草だった。

掴むと抜けた。取れたと思った内定は自分の手から抜け落ちた。


現在


残り一社だけ受ける。受かったら行くかもしれない。

メンタルはなぜか安定している。

自分の精神力が怖い。


ここに入って以前の第一志望とのコンペに勝つ。

自分なりのケジメをつけるつもりである。


一週間後


内定を貰って同期と酒を飲んでいる。


「この会社を一位にするかあ。」


冗談交じりに言っている気がする。

何人かは本気だろうが。

ワイは恐らく心の底からは喜べない気がする。


一杯目に頼んだ生ビールの泡が消えるのを見ている自分が想像できる。

まずくはない。でも決しておいしくはない酒を飲んでいるのだろう。


自分の就活みたいだ。


第一志望に落ちた君へ


まずは落ち込もう。ピザか寿司でも食って寝よう。

酒を飲んでもいいかもしれん。

一人はやめとけ。余計に自分が惨めになるから。

就活仲間と飲むのがいい。


その後は就活しろ。止まってても何も終わらん。

内定は向こうからは来ない。こっちから行け。

就活を終わらせるには就活するしかない。

嫌な事を終わらせるには嫌な事をするしかない。

これはジレンマだと思う。


どうせ長くて1年、今の時期からなら半年あれば終わる。

半年付き合ってた人の記憶なんてあるか?

ワイはほぼない。

就活も終わればそんなもんだと思ってる。


ごめんなさい。ちょっと言いすぎました。


ワイが言いたかったのは第一志望に落ちたのは自分だけじゃないって事。

もちろんこれで内定が出る訳じゃないけど

これを見て「まあこいつよりはましか」って思ってくれたらいいです。


最後に


あと少しがんばろう。ワイもがんばる。

就活終わったらDMくれ。めちゃめちゃ祝うわ。


ここまで書いてどうやって終わればいいのか分からないので

また偉人の名言を引用して終わります。


「人生に失敗がないと、人生を失敗する。」 

by斎藤茂太


失敗は人生のスパイス。インド人もそう言ってた気がする。

スパイスの入ってないカレーなんておいしくないよ。


fin.





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