
『くらべて、けみして 校閲部の九重さん』
読んだ本
『くらべて、けみして 校閲部の九重さん』というコミックを読みました。
東京都文京区にある旅と暮らしの本屋「アンダンテ」でたまたま目について買ってみました。最近、「校正」「校閲」の分野に興味があり、びびびっときました。
校閲
「校閲」というお仕事をご存知でしょうか?
その役割は
言葉や表現
そのものの正確さ
的確さを見分ける
ことである
校閲は雑誌や書籍などを作る際の工程の一つとして挙げられます。著者が書いた原稿を確認し、文章的な誤りがあるかどうか、情報としての誤りがあるかどうかをチェックするお仕事です。(説明に誤りがあったら申し訳ありません)。
こちらのコミックはフィクションですが、新潮社の編集者さんや校閲者さんの全面協力のもと作成されたものです。合間には新潮社の皆さんのコラムも載っています。
九重さんと瑞垣さん
新頂社校閲部文芸班に所属する九重心(くじゅうこころ)さんが主人公です。社歴は10年、校閲部文芸班の中でも中堅です。新入社員の瑞垣(みずがき)さんに、お仕事を通じて「校閲とはなんぞや」を伝えていく、校閲部の日常を描いたコミックです。
瑞垣さんの成長を見守りながらも、九重さん自身も色々な人と関わる中で自分の仕事のあり方に疑問を持ったりしながら「九重流」のやり方を見つけていこうとします。
クールな九重さんと元気で素直な瑞垣さん。この2人のやり取りにほっこりします。
誤植
誤植にまつわるエピソードが載っています。発売後の書籍にある誤植を見つけようと瑞垣さんが張り切るエピソードです。
ここからはちょっとだけ内容に触れます。
張り切った瑞垣さんは発売後の書籍に誤植を見つけ出します。「やったぜ!」と喜ぶ瑞垣さん。ですが、校閲者の仕事への向き合い方や自分毎として捉える姿勢を目の当たりにする中で思うことがあるよう。また一歩校閲者として成長する、というエピソードです。詳しくはぜひ読んでみてください。
このエピソードが特に大好きになりました。瑞垣さんの行動は新人なら誰でも、どんな仕事でもあるあるなんじゃないかなと思いますし、悪いわけではありません(書籍内でもそのように描かれています)。
誰しもこういう経験をして成長していくはずです。私はソフトウェアエンジニアとして働いていますが、このエピソードにとても共感しました。
「あり方」に触れるお仕事コミック
「校閲」というお仕事にぐいっと踏み込んで、その奥深さに触れるコミックでした。校閲を始めて知った方でも校閲というお仕事の深みを感じられます。
その職業の「あり方」というものは職業それぞれで違いますが、「どうあればいいのか」ということをどんな職業でも一度は考えるのではないかと思います。自分のお仕事にも重ね合わせて読めるお仕事コミックだと思います。
くらべて、けみして 校閲部の九重さん2
2025年2月19日に2が発売されるようです!
もうすぐ発売です。とても楽しみです。