自分の職業をどう定義するか
私の本業はソフトウェアエンジニアである。
同じ業界で仕事をしている人の中には、「プログラマーです。」、「システムエンジニアです。」、と自己紹介する人もいる。
新卒で入社した会社での肩書きは「システムエンジニア」だった。ちなみに他の〇〇エンジニアがいたわけではなく、みんなシステムエンジニアだった。
大学卒業ぶりに会った友人と話をしたときに、同じ「システムエンジニア」だということがわかった。ところが、話が全く合わない。友人の会社の「システムエンジニア」と私の会社の「システムエンジニア」は役割が違っていた。もちろんやることも違う。
一般論として職業紹介の本のようなものに載っている定義はある。だが、実際にそれをそのまんまの定義で現場に取り入れるのは難しいのだろう。
この件を経て「自分は〇〇エンジニアをしています。」というのは単なる記号のようなものか、と思った。何をしているか話さないと伝わらないわけだし。
さらに転じて、会社の肩書きは置いておいて、自分が好きなもの、自分がやっていると思っていることを言えばいいんじゃないか、と思うようになった。会社の肩書きと一致していたら嬉しいことではあるが。
そこから私は会社の肩書きがどうであれ「ソフトウェアエンジニアをしています。」と自己紹介するようになった。これはソフトウェアエンジニアだと思える仕事をやれているからでもあるし、これからもこういうことをしていきたいと思っているからでもある。
職業名を決める、どう名乗るのかを決める、というのは、自分にとってこの仕事がどういうものなのか、を定義することでもあるのだ。
よく考えてみると、他の人にこの話題に関する考察を聞いたことがなかった。次、誰かから「〇〇をしています。」と聞いたら、それはどんなものなのか、相手の考える〇〇について聞いてみようと思う。