2024年メゾンマルジェラアーティザナルコレクション東京エキシビジョン【感想レポート】
東京恵比寿にあるメゾンマルジェラ東京上階で行われたアーティザナルコレクションの展示があると知り、どうしても行きたかったので飛び出す様に出かけた。
⚫︎展示の内容となるショーはこちら
⚫︎メゾンマルジェラ現デザイナーはJohn Galliano
今回のエキジビジョンの企画立案者はGalliano本人だ。しかも展示の案内を本人の音声解説で聞けるというスペシャルな仕様。アツすぎる…。
英語が分からなくても日本語のウェブテキストページがあるので安心。
私はGallianoファンなのでその目線での感想となる。
▶︎Gallianoの音声解説
会場での待ち時間、スタッフさんの案内で音声解説ページをQRコードで読み込んだ。そこで待ち構えていたのはとても熱のこもった嬉々とした音声。その音声からはクリエイションに誇りと喜びを感じ取れた。やはり彼にファッションを欠かす事は出来ない絶対的な運命の様なもので結びつけられている。
▶︎圧倒な情報量
店内に入り案内の声と共に暗い階段を登った先に展示会場はあった。アーティザナルコレクションで発表された服の現物が何体も置かれ、分厚いルックブックが何冊も置かれていた。壁一面には彼のイメージソースとなるブックが飾られ圧倒的な情報量。服には一体ずつ解説文が設置され、制作の際どんなテクニックを用いているか解説されている。
こんなにGallianoのクリエイションに近く触れる事が一生のうちにあるという事は過去の自分には想像も出来なかった。
▶︎濃厚な世界観の展示
今回の展示では月光に照らされた魅力的なパリの人々を捉えている。パリを拠点とするデザイナー自身が見つけたパリの美しさや感情を表現している。
マダム・ビジューを始めとしたイメージソースも随所に散りばめられ、世界観を深く表現している。
服そのもののクリエイションの核としては【解剖】が掲げられており、展示品の台が死体を解剖する際に使われている台を使用し文字通り今まで見たことがないものがそこにはあった。
▶︎映像展示
会場の2階では映像が流されていた。アーティザナルコレクションのイメージだけでなく、コレクションピースの制作シーンも公開されており大変貴重であり尊いハイレベルな手仕事も拝めた。ショーに向けたモデルとのフィッティングのシーンなども含まれており、1つのコレクションにかけられている時間と熱量はものすごいと本能に訴え掛けられるものがあった。デザイナーだけでなく作り手がいてこその服作りだと分かりやすく示している所が今回の展示ではよく見られるポイントでもある。まさに服作りの【解剖】である。
展示は無料公開だが有料レベルの内容だった。公開期間が短いが無理してでも行くべき展示だったと思う。学生の方も大勢おり、展示に刺激を受け最作にこれから更に励んで行くのだと思うとなんだか温かい気持ちになった。早いうちに出会う業界トップレベルのクリエイションは鮮烈だと思う。かつての私もそうであった様に。確実に次の世代に繋がっていったと感じた。
アーティザナルコレクションのコレクションピースを見て、本当にクオリティの高いものばかりで圧巻である。フォルムとコルセットをキーワードにしてるルックも多くとにかくシルエットが美しい。コルセット作りの裏話やモデルさんのトレーニングの裏話なども音声解説で聞けて嬉しい。想像以上の熱量に観客も湧き立ったと思う。
映像展示では世界観がよく伝わり、Björkの曲が使われているシーンは感動が押し寄せてきた。緊張感のある映像しかない空間に私達観客は見入っていた。オフラインでの繋がりを意識している展示だったのでこの瞬間確かに何かと繋がれた気がした。気のせいかもしれないけど。