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文化的なことへの欲求に素直に従いたい。


今年の夏はなんだかやり残したことがたくさんあるような気がします。9月に入って、秋の気配を感じると、「あれ?もしかして今年もう終わる?」と毎年急にちょっとした謎の焦りが生まれるんですが、今日は気候的にもまさにそんな感じ。窓を開けると涼しい風が入ってきて、日が暮れるとむしろ肌寒いと感じるくらい。

さてさて、noteを毎日更新しなくなって数日が経ちます。明らかにネットを見る頻度が減りました。もともとネットとの付き合い方というか、触れる頻度はなるべく少なくしようと意識はしていましたが、やっぱりnoteの毎日更新をしていた期間は、Twitterとかニュースサイトとか他のクリエイターのnoteとか、無意識のうちに、なにかネタになりそうなことないかな〜と情報収集してたようです。もちろんそのおかげで日常プラスαで知れたことはいっぱいあったので、どちらが良いかとは一概には言い切れないのですが、常にコントロールできる自分でいたいなとは思います。

ネットに触れなくなったことで生まれた時間、ここ数日は、絵を描いたり、ロゴやフライヤーのデザインをしたり、アパレルブランドBLIXZYのアイテムのデザインをしたりと、クリエイションの時間に当てるようになりました。

ちなみに今日から、画家である祖母に絵画教室を開いてもらいました。これから毎週やっていく予定です。初回の今日の成果はこんな感じ。家のお庭や近所に落ちていた草花を描きました。


洋服ブランドのプロデューサー兼デザイナーをしている身としてはお恥ずかしい話しですが、わたしは昔からクリエイティブ的なセンスはない人間なんだと自分では思っていまして、なんせ、全くそういった類のことを勉強してきたことはないし、卓越した才能があるわけでもない、絵も大して上手くないし、有名なアートを見ても「???」となってしまうことが多い。なんなら、みんなが良しとするものを、全く良いと思えないことがかなりたくさんあるのです。

「わたしって、アートの良さとか価値とか、あんまり理解できない鈍感な人間なのかな・・・」と思ったこともありましたが、でも、そんなわたしでも、たま〜に心動かされることがあります。そしてその度に、「わたしもやりたい・・・」と、ふつふつ、心の奥底で思うのです。

今まではそういう感情って、「とはいえ、わたしにアートのセンスはないからなぁ」という気持ちの影に隠れてしまっていたけど、最近は「もっと自分の内側を見たい」という想いで、創作意欲の根っこみたいなものとか、心の奥底の感情や気持ちの揺れをちょっとずつ表に出していきたいというマインドなんですよね。

それによくよく考えてみれば、たまにしか心が動かされないって、むしろそれだけ自分の中に好きなものとか、イケてる、かっこいいと思うものへのこだわりが半端ないってことなのかも?とも思えてきました。(流石にこれは自意識過剰かも笑)


今自分の中にあるテーマのひとつに、「文化的なことへの欲求に素直に従う」というのがあります。

アートもそうですし、歴史の勉強、音楽、植物、食。仕事に繋がるとか繋がらないとか全く関係なく、自分がどこにどんな風にお金と時間を使いたいのか、その気持ちにとことん従いたい。

常に変化し続けている今の時代の中で、きっとこれから更に「あなたはどう生きたいの?」が問われる時代になっていくんだろうなと思っています。

わたしも日々ポジティブに自問自答しているんですが、「こんな風に生きたいな〜」と思う人って、まあほとんどがおじいちゃんおばあちゃん世代の人たちばかりなんです。これは本当にわたしの個人的な考えなので正解とかはないと思いますが、その人たちに共通していることってなんだろう?と考えてみると、やっぱりどれだけ消費を文化的な方面にしているか、時間とお金をどれだけ好きなことに費やしているか、そしてそれによってどれだけ豊かな毎日を過ごしているか、なんですよね。

わたしのnoteでは祖父が何度か登場していますが、とにかく歴史が大好きで、暇さえあれば色んな諸説を調べ、研究に没頭しています。
そして絵画教室を開いてくれた画家の祖母は、長野の自然を絵に描いたり、庭の手入れをしたり、料理をしたり、ピアノの練習をしたりと、思いのままに過ごしています。

働き方改革なんて言葉もありましたが、いわゆる会社勤めをしている周りの友人たちを見ると、作業をこなすことや効率の良さばかりを求められる環境があまりにも多いように感じます。祖父や祖母のようにいくつになっても何かに没頭できる、そしてそこに対して時間をたっぷり使える、そこに重点を置くことって、実は結構難しいことなんじゃないかなと。もちろん金銭的な部分とか、色んな要因はあるとは思いますが、気持ちだったり周りからの目を気にしてなかなか出来ない、というのも一理あるんじゃないでしょうか。

わたしも東京だけを拠点に暮らしているときは、「あの子いつもバリバリ頑張ってるね〜」って思われたいとか、周りからの見られ方とかを気にして、好きなことに没頭する瞬間って意外にもかなり少なかった気がします。周りからは好きなことばっかりやっている印象があったようですが。

でも今は、長野との二拠点生活になり、一人で過ごす時間が増え、物理的に他人から見られる時間というのが格段に減り、好きなことに没頭できる時間がぐんと増えました。

当たり前だけど人間の時間は有限なんですよね。目の前のことに必死になるとそのことを忘れてしまって「いつかこれやりたい!」「いつかこうなりたい!」といつやってくるかもわからない「いつか」を夢見てしまいますが、そんなものはただただ待っているだけじゃやってこなくて、結局自分次第で、いつだって、今すぐにだって、作れるんだろうなと感じています。

とはいえ、人間というものはすぐに変わるし、世の中もすぐに変わる。その中で、何かにとらわれることなく、しなやかに、オープンに、心に真っ直ぐ従いながら、自分にとってのハッピーを見つける能力を高めていこうと思います。


武藤千春

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武藤千春 Chiharu Muto
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