【ケアマネ】利用者&事業所とのやり取り、どこまで介入すべき?
おはようございます、ちはるです。
昨日、福元はるさんのスタエフ(ライブ)を聞きました。
はるさんは不動産の営業をされている素敵な女性で、現在は、お子さんの留学に帯同するというかたちでオーストラリアに渡られ、そこで不動産営業の方との交流をもち、新たな気付きを得て学ばれているそうです。
昨日のライブでは
「お客さんと業者の間にどこまで介入するべき?」
「自分が手配した業者に対して、お客さんからクレームがあったらどう対応する?」
という話題になり、皆さんだったらどう対応しますか?という問いかけがありました。
はるさんをはじめ、ライブに参加されていた一般企業、営業職の皆さんは「まずは謝る」という対応だそうです。
福祉の業界でも、こういうことってありますよね。
業界は違えど、ケアマネの仕事も、お客さん=利用者さんに、業者=サービス提供事業所を紹介する仕事で、利用者から事業所に対するご意見をこちらにいただくこともあるし、事業所側から利用者に物申したいことをこちらに伝えてくるパターンも多いです。
ケアマネの仕事は、「介護サービスの連絡調整」ですから、確かに、双方の話を聞き、「調整」することが求められているのかもしれません。
でも、最近思うのです。
「利用者と事業所をつなぐ調整」は必要であっても、利用者と事業所の間に入りすぎるのは良くないのかなと。
※個人情報が含まれるので、以下の事例は本筋に影響のない範囲で脚色しています。
ある認知症のおじいさんが施設に入所しています。
認知症は重度なので、意思疎通も困難。
ただ、お体はお元気なので、度々施設から外出して迷子・行方不明になったり、コンビニでお金を払わず商品を持ち出そうとしてしまい(コンビニ側からしたら万引きですね)警察沙汰になっている(よくある話です)。
入所している施設は、重度の認知症の方を引き受ける施設ではなく、身体的にも認知機能的にもお元気な方が入居する「高齢者向けマンション」なので、見守りの目も少ないし、玄関の施錠もしていないので自由に出かけられる環境(つまりはこのおじいさんが一人で出かけないようにすることはできないんです)。
施設の担当者から「また行方不明になったり、万引きで警察から連絡が入る可能性があります」と、【ケアマネが何とかして下さい】というスタンスで連絡をいただいたりします。
(「日曜日に家族が施設に来て話し合いをするので、ケアマネも参加して下さい」とかね。)
でも、これは施設側と利用者(このケースだとご本人には判断能力がないので、代わりの家族になります)で相談してもらう問題だと思うんです。
こちらとしては、施設側に必要以上の役割を求めるわけではなくて、「施設としてできること/できないこと」、「起こり得るリスク」を家族に説明してもらい、それを理解した上でどうするか、というのは家族が判断すること。
(家族側は、「この施設はあくまでも高齢者向けマンションであって、常時見守りがあるわけではないし、一人で外出するのを制限・監視できる施設ではない」ということは分かった上で利用しているわけですからね。)
①このまま、リスクはあるけれども慣れたこの施設で生活をするのか
②安全を考えて、心身の状態に合った別な施設へ移動するのか
これは施設側と家族とで相談してもらうことで、ケアマネが介入しすぎるのは適切でないと思っています。
ケアマネの立場としては、①と②、どちらでもいいんです。
(①は危険じゃないか、と思われる方もいるかもしれませんが、ちょっと論点がズレるのでその話は省きます。私はリスクがある生活=ダメとは思いません。)
家族が決めたことを尊重して、
①であれば可能な範囲の対策を考えるし(例えば徘徊感知機器のレンタルとか)、
②であれば他の施設を紹介します(紹介する場合であっても、こちらは選択肢を示すまでが仕事で、そこから比較・検討・決定するのは家族の役割)。
とにかく、ケアマネは「連絡・調整をする」のが役割ではあるけれど、事業所を提案・紹介するところまでが仕事で、選んで決めるのは利用者なんですよね。
最終的には利用者が事業所を選んで、利用者が事業所と契約しているわけですから、その間で起こるいろいろなことについては、利用者と事業所の間で解決してもらうという視点も必要だと思います(ケースや状況によっては介入が必要なこともありますが)。
あとは単純に、間に入って細々した全ての連絡調整をしていると、業務の効率が悪いというのもあります。
「来週だけヘルパーを利用する曜日を変えたい」
「来月だけデイサービスの迎えの時間を△時にしてほしい」
そんな調整の全てを、ケアマネが間に入って利用者・事業所と電話のやり取りをしていたらキリがないし、何往復も必要になることも多いので時間と労力の無駄です。
利用者と事業所が直接やり取りしてもらえば、その電話1本で調整が済むわけですから。
(仕事が遅いケアマネはこういうちょっとした電話のやり取りに時間をかけていたりします。)
このように、ケアマネの立ち位置(利用者と事業所との間での契約に立ち入りすぎるべきではない)や、業務の効率化を考えたときに、私はある程度利用者と事業所の間でやり取りを完結させてもらいたいなと思っています。
はじめからこういう考えで仕事をしていたわけではありませんが、経験を重ねて「このパターン・対応がベスト」という感覚を掴みましたし、今の上司の考え方に影響されて、こういうスタンスをとるようになりました。
「抱えている担当利用者が30人そこそこなのに、時間内に仕事が終わらない」
「一人ひとりの利用者の訪問にかける時間が長かったり、電話が多くて残業ばかり」
というケアマネは、そもそも余計な仕事を抱え込んだり、本来の役割でないところに時間をかけています。
そんな話はまた改めて書こうと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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