日本銀行とその政策について
こんにちは。
毎日うだるような暑さですが、いかがお過ごしでしょうか。
私はというと、山! 川! 海!と存分に夏を満喫したいところですが、 大好きなおじいちゃんにウイルスをうつさないよう、遊びは自粛せざるを得ず、9連休の間おうちにこもっておとなしくしています。
来年は絶対、いっぱい遊ぶぞー!!!
さて、それでは今回のテーマ「日本銀行とその政策について」書いていきます。
日本銀行について
日本銀行(にっぽんぎんこう)は言うまでもなく日本の中央銀行で、銀行からの預金を受け入れる「銀行の銀行」です。
また、国税や社会保険料、公共事業費などの国庫金を管理する「政府の銀行」で、国債の発行や利払い業務なども行います。
日銀は「発券銀行」の役割も担っています。日本銀行券を国立印刷局に製造してもらい、日銀当座預金口座から金融機関がお金を引き出す際に発行しています。日銀券を大量に発行するとインフレが起き、物価が上昇して困ります。
日銀の目的は物価の安定
日銀は、経済活動を円滑にするため、物価の激しい変動を上下ともに抑制することを目的としており、金利調節を行います。毎月、金融政策決定会合を開催し、金利水準等を検討しています。
日銀の政策について
金利水準を調整するために、以前は公定歩合が使われていました。
■公定歩合(今はもうない)→基準割引率および基準貸付利率
・正式名称→「商業手形割引歩合ならびに国債、特に指定する債券または商業手形に準ずる手形を担保とする貸付利子歩合」
・日本銀行が、民間銀行に貸し出しを行うときの基準金利。
・1970年代以降、預金金利が公定歩合に連動する大蔵省の管理から、市場原理へと金融の自由化が進められ、金融機関が預金金利などを自由に決められるようになった。
・その結果、現在はコールレートの上限金利としての役割のみとなった。コール市場での金利が基準貸付利率を上回る場合、金融機関は、日銀から直接基準貸付利率で借りればよいから。
・2001年~補完貸付制度の導入に伴い、2006年8月から基準割引率および基準貸付利率に呼称変更。
・2008年12月から、年0.3%で据え置かれている
基準貸付利率とは、「補完貸付制度」という金融機関等の借入申込みを受け、差し入れられた担保の範囲内で行う受動的貸付けの利率。
上記の通り、政策金利が公定歩合から無担保コール翌日物金利(オーバーナイト・レート)に変更されました。
現在は、公定歩合の操作の代わりに、国債の売買(公開市場操作)が行われています。
■公開市場操作(オペレーション)←絶賛活躍中 【➢なんで始めたんだっけ】
日銀が金利の誘導目標を実現するために金融機関に対して国債の売買を行うこと
・コール市場
金融機関どうしの短期資金の貸し借りの市場
「無担保コール翌日物」が代表的な取引 → この金利が誘導目標 (報道ベース:政策金利)
短期資金仲介会社(専門業者)が手数料を取って仲介
・国債を売買する
買いオペレーション(金融機関から国債を買い、現金を支払う)は金融機関に現金が増える
コール市場の供給資金が増加
コール市場の供給資金が増加することにより、政策金利である、無担保コール翌日物の金利が下がります。
無担保コール翌日物の金利が下がると、金融機関は資金を借りやすくなり、企業などへの貸し付けも容易になりますね。
また、バブル崩壊後にデフレから脱却できず、ゼロ金利政策も実行されました。
■ゼロ金利政策 1999~2000 2001~2006、2008~
①速水総裁
バブル崩壊後、デフレから脱却できず、無担保コールレート(翌日物)をできるだけ低めに推移するよう促す
2000 国内卸売物価指数の上昇もあり、解除
米ITバブル崩壊もあり、景気減速
②速水総裁
ITバブル崩壊の景気減速のため、復活
③白川総裁
2008年金融危機発生への対応
しかし、これだけでは深刻な不況は回復せず、量的緩和政策も実施されました。(ゼロ金利を解除したのにすぐにまた実施することは、前の日銀の判断が間違っていたことを認めることになります。そこで代わりに実施されたのが量的緩和政策です。結局はまたゼロ金利に戻すんですが。)
■量的緩和政策(QE) 2001~2006、2013~
マネタリーベースの拡大を目的に実施される。
日銀が金融機関から国債を買い入れ、支払代金を市中銀行が保有する中央銀行の当座預金(利息が付かない)に振込、残高量を拡大。残高を目標額まで増加させることにより、融資の積極化や債券などの資産購入を促す。(残高目標は徐々に引き上げられている)
さらに、黒田総裁が就任してから、市場にインパクトを与えることの効果を重要視する
■マイナス金利政策 2016~
従来の制度:2008年11月~日銀当座預金の所要準備額を超えた部分に0.1%の金利をつける
2016年 1月~所要準備額は金利無し、これまでの超過準備額→0.1%、その後積み増しされた額→マイナス金利
というわけで、現在はマイナス金利と大規模な国債買い入れが続けられています。おかげで株は下がりませんね、笑
最後に、主な出来事を時系列にまとめておきます。
■これまでの流れ
米国貿易対日赤字
1985 プラザ合意
円高不況
公定歩合引き下げ(2.5%まで)
地価の上昇・消費ブームにより、景気過熱状態に
1987 ブラックマンデー(米株が暴落)
1989まで低金利(2.5%)が継続され、バブルが膨張
大蔵省が不動産の総量規制を実施(不動産業向けの銀行からの貸し出し伸び率を、銀行が貸し出す資金全体の伸び率以下に抑えるよう要求)
地価が急落
1990 公定歩合引き上げ(6%まで)
1991~93 バブル崩壊
1999 ゼロ金利政策
2000 ゼロ金利解除
米ITバブル崩壊もあり景気減速
2001 日本版ロンバート型貸し出し(名称:補完貸付制度、利率:基準貸付利率)(■日銀が金融機関に担保差し出しを条件として資金を貸し出す)
量的緩和政策
世界でも例のない低金利が続き、円で借り入れ、外貨で投資・投機を行う「円キャリートレード」が活発化
2008 金融危機
ヘッジ・ファンドが資金返済に向け、資金を円に替えるため、膨大に円買い
2013 アベノミクスのもとでリフレ派黒田総裁就任
黒田バズーカ(量的・質的金融緩和 物価上昇率目標2%、年50兆円国債買い入れ、ETF・J-REITも買い入れ)
2014 消費増税5→8%
2016 マイナス金利政策
以上、ありがとうございました。
<追記 2020,9,30>
■貸出支援基金
民間金融機関が企業により積極的に貸し出しを行うよう、日銀が低利で民間金融機関に貸し付けを行う臨時措置のために作られた基金。
日銀がOKと認めた担保(適格担保)の範囲内で、低利で貸し付けを行う。
目的: 金融緩和効果を一層浸透させ、デフレ脱却を進めるため、経済の成長基盤強化と貸出増加に向けた民間金融機関による取り組みを支援する。
内容: 日銀が民間金融機関に低利で貸し付けを実施。2010年より臨時措置として開始した基金。
・4年以内、年利0.1% (現状、基準貸付利率は0.3%)
①貸出増加を支援するための資金供給
・107先、53兆177億円(2020年9月14日時点)
・貸付残高の上限なし(正確には貸付限度額あり)、借り換えも可能(貸付限度額あり)
②成長基盤強化を支援するための資金供給
5兆9787.45億円(2020年9月4日時点見込み)
・米ドル特則:外貨建て投融資を支援の対象とする特則がある(240億米ドル)
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