ふつうの日。
朝起きて暗い部屋が嫌で、少しだけカーテンを開ける。
彼の家に朝差し込む光が好きだ。
起きる時間にはまだ早い。
最近、一度起きてしまうと何か食べないと寝られないので、仕方なくスマホ片手に彼の横で暇をつぶす。
落ち着かなくて寝返りをうつと、彼ももぞもぞと動く。
その度に顔や首筋、いろんなところに鼻先を擦り付けてくる。
本当に毎度思うが、大型犬のようだ。
どうしたー?と声をかけるが、返ってくるのは意味をなさないふやふやとした声。
たまに少しだけ起きて、抱き枕のようにぎゅうと抱き締められる。
頬擦りをされて、しばらくするとまた寝息が聞こえてくる。
最早マーキングだ。
そろそろ空腹も限界に近い。
お腹空いたから起きよー、と声をかけると少しだけ目を開ける。
おはよう、と声をかけるとまたふやふやと何かを言っている。
そしてまたぎゅうと抱き締められて
「しあわせ、あったかい、しあわせ」
と何度もふやふやと繰り返された。
そうだね、久々のゆっくりとした2人きりの朝だもんね。
仕方ないからもう少しだけ寝かしておこう。
そう思ってまた寝返りをうつ。
それに合わせてまた頬擦りが始まる。
たまにすりすりが、ザリザリになるのはこの際我慢してあげようと思う。
ああ、なんて愛おしい日常。