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あらためて感じる日本の色。ーパリから帰国3日目。
一昨日の朝、パリから帰国した。パリにいた時はそこにある全てが美しく見えてずっとここに居られたらいいのにと思っていたはずなのに、実はもう、今日本に居られることにこの上ない幸せを感じている。
朝10時頃関西空港に着き、荷物を受け取って、到着ゲートの目の前のドトールでコーヒーと袋入りのあんパンを買った。関空から京都までのバスの中で袋を開けてあんパンを一口。涙がポロリ。信じられなかった。涙を流したことにも、あんパンのおいしさにもだ。
お腹も心も満たされ落ち着いてバスに揺られてうとうとする。ぼんやりと目を開くと紅葉した木々が目に入る。もう12月なのにまだ赤や黄が鮮やかだ。なんて美しいんだろう。日本の紅葉ってこんなにやさしい色だったっけ?
パリで見た紅葉もとても綺麗だった。朝日を受けて黄金色に輝く並木の風景は今も脳裏にクリアに映し出すことができるほど印象的だった。
どちらがいいという話では決してない。パリの美と日本の美は全く違う。渡仏する前の私にはもうほとんど見えなくなってしまっていた日本の美しさが、20日間日本を離れて全く違う美の世界に身を置いたことで、今色鮮やかに輝きを取り戻したようだ。
高速道路から一瞬見えた大阪城公園の紅葉とそこに凛と佇む大阪城の風景は息をのむほどの美しさだった。大阪城の対岸に住んでいたこともあったが、桜の時も紅葉の時もこんなにも感動したことはなかった。
京都駅から自宅までのタクシーの窓からも街中やお寺の中の木々が色とりどりに輝きを放っているのが目に入る。美しい‥。
日本の色ってやさしい。色自体に形はないけれど、色彩にまるみを感じる。
空気にも水にもまるみを感じる。肌に触れたときやさしさを感じる。
私が日本で生まれ育ったせいもあると思う。
でもこれが日本の色であり魅力なのかもしれない。
時期遅れの紅葉に心から感謝し、一層心を尽くして愛でたいと思う。