味読感想8【メロンソーダフロート】:0022
アイスクリームの浮いているメロンソーダって、子供の頃は飲みたいというと親に不評だった記憶があります。
虫歯になりやすいしカロリー高いし、子供舌は美味しく感じるけど大人になると甘すぎる。
1人で頼むには居心地が悪い。
けれども、何か集まりがあった時、ファミレスとか喫茶店に行った時同じ歳の頃の子どもがいたなら、「クリームソーダ一緒に頼もうよ」って言って、飲めたんですね。
2019年の秋満喫ボイスでは、「あなた」さんとの距離は『共有関係』でしたが、あちらが15cmくらいの大人の距離感を感じるならば、こちらはしっかり手を繋いで「クリームソーダ一緒に注文しよう」って話し合ってる子供のような、共犯関係を感じました。
track3、4
水族館、イルカショー。楽しむ気満々の力ちゃん。
「あなた」さんの分も持ってきたというシーン、言い方が艶っぽいのとそれを共有するのか、というくだらなさが妙にマッチしています。
リクガメのエサやりに限界化する力ちゃんですが、ここで「あなた」さんに休もうとひと声かける辺りが紳士ですね。
菜っ葉を片手に夢を語ったり、今回は率先してエスコートしているのが新鮮に感じました。
甘いけれどベタベタしなくて爽やか。とろっとしたアイスクリームとシュワシュワのソーダが味わいを変えてくる感じでした。
track5
メロンを語る描写は、もうとんでもなく艶っぽいですね。
人の食べている時の仕草とか描写に、仄かにエロスのようなものを感じたり、とにかく美味そうだなぁとよだれが出てきます。
力ちゃんがメロンにそうっと指を滑らせている様子を想像したりして、見てはいけないものを見ている気持ちになりました。
track6
風景描写がここはもう、神がかってますね。
僕にとっての劇薬ポイントがここなんですよ。
あの文章量で、さらっと聞かせてしまえるのがすごい。
夕暮れのまだ明るいうちの散歩について、力一さんの見聞きして感じている視点が伝わってくる、穏やかで気だるい語り口なんですね。
時間の流れや音や匂いも凝縮されていて、それを想起できる。集合住宅のいつのまにか点いている灯とか、自分もよく見ている日々の景色を思い出して、バーチャルとリアルでも同じ風な景色を見ていたりすることに、どうしてだか胸を衝かれたりするんです。
track6についてはこっそり文字起こししてたまに音読したり、綺麗なフォントと紙でプリントアウトして、額に入れて飾ろうかな、と計画するくらいに好きです。
(↓イメージ画像)
追記:2020/11/10
ショップ常設記念にお絵かきしました。
「明日も明後日もクソ暑いんだろうけど」
お読みいただきありがとうございました!