日本棋院支部ご関係者様に向けて(1)
この記事は一般に向けたものではなく、日本棋院支部のご関係者様に向けて書いたものです。
僕から日本棋院支部(できれば各都道府県本部もしくは支部連合会)の方にお願いしたいことがあり、その説明文として用意しました。
見られて困るものではないので一般公開していますが、僕からの説明として対象の方に個々に読んでいただくよう依頼する予定です。
囲碁界の状況
ご存知の通り、2019年末から始まったコロナ禍の影響で、アマチュア囲碁界は壊滅的な影響を受けました。
例年開催されていた各地の囲碁イベントは、2020年に軒並み中止となりました。
その後徐々に再開されるようになったものもありましたが、宝酒造杯の終了に象徴されるように2019年を最後に終了したイベントは多く、これを機に囲碁界から手を引いたスポンサー企業は多かったと思います。
同時に、コロナ前に比べるとイベントへの参加者も減ったままです。
コロナ禍の不安が薄らいだ2023年現在になっても、人の戻りは鈍いようです。
世代別に状況を見ると、人数は減少しているもののシニア層が維持し続けている囲碁の集まりはそれなりに多く見られます。
また、都会が中心ではありますがジュニア層の囲碁人口は底堅く、賑わっている子ども教室も珍しくありません。
囲碁は習い事として一定の需要があるようです。
さて、僕が問題視しているのは青年層です。
20代後半~30代半ば、いわゆる「ヒカルの碁世代」ですが、この世代の囲碁イベントへの参加状況が芳しくありません。
実体験として僕の周りでは、コロナ禍を機に囲碁を辞めてしまった、もしくはネット碁のみを行うようになった人が多いようです。
この世代は、20年前のヒカルの碁ブームの頃から囲碁界に活気をもたらしてきました。
潜在的な人数は相当なものです。
しかし彼ら彼女らは、なかなか「リアル碁」に帰ってきていません。
ヒカルの碁世代
リアル碁に参加しなくなって数年が経った「ヒカルの碁世代」
その中には、いつの間にか仲間が囲碁を辞め、通っていた囲碁サロンも無くなっていた、という状況の人も多いはずです。
またリアル碁の代わりに、ネット碁での集まりに居場所を見出した人もいます。
僕は今後の囲碁界のためには、まずこの世代を囲碁界に呼び戻さなければならないと考えます。
囲碁を楽しむ人としての賑わいのためだけではありません。
シニア層が囲碁の普及や囲碁会の運営を頑張り続けているのも、業界的な問題です。
「ヒカルの碁世代」が囲碁界を引き継いでいく形を作らなければなりません。
ところで、リアル碁から遠ざかっていた「ヒカルの碁世代」が仮に囲碁を再開する気になったとして、どう動くでしょうか。
想像に難くないと思いますが、世代の特徴としてまずはインターネットで囲碁イベント情報を得ようとするでしょう。
しかし、インターネット上の情報は決して親切ではありません。
日本棋院支部の現状
僕はすべての都道府県について、インターネット上で各地の日本棋院支部が情報発信をしているのか、調査してみました。
まず、日本棋院公式サイトでイベント情報が発信されている「東京・愛知・大阪」は問題ありません。
また日本棋院支部がない「兵庫県」も省いて考えます。
僕の判断にはなりますが、インターネット上の活動という点で、各都道府県の状況は以下のように分類できました。
「ヒカルの碁世代」にとって囲碁を再開しやすい環境が①であるのは、言うまでもありません。
今後の発信に向けて
これまで偉そうに理屈を語ってきましたが、もしこれが理想だとしても、実現されていない地域が多いのも無理はありません。
普段、支部の囲碁センターにいらっしゃるお客様は、インターネットを見ることなくチラシで情報を仕入れる方がほとんどだからです。
当然のことながら、支部会員の方や過去にイベントに参加された方には、郵送で大会案内などを送ることもできます。
自然と、インターネット上の情報を充実させる優先度は低くなります。
またインターネット上での発信を頑張ったところで、すぐに新規の利用者が増えるわけではないでしょう。
モチベーションを保ち続けるのは大変です。
更に当然ながら、支部の運営は人手が豊富な訳ではないはずです。
ごく少数の人が切り盛りしている支部も多いものと想像します。
それでも僕は、インターネット上で丁寧に情報を発信し続けるべきだと思います。
なぜならその情報をきっかけに、地域の囲碁イベントに足を運ぶ「ヒカルの碁世代」の方が数人でも増えれば、そこから地域の囲碁界を担ってくれる人材も現れるかもしれないからです。
次の記事で、このテーマについての僕の取り組みと、日本棋院支部の方にお願いしたいことをまとめます。
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