青い花
会った翌朝。
今回太ももにあまり噛み痕残さなかったな…と左右に一つづつ残された痕を見ていた。
開発メインで、とお願いしてたけど、ラスト30分の追い込みが半端なくて。
後ろは後ろで気持ちいいけど、飲み込まれそうな支配感やトモさんが息が上がるくらいまで責めてくれたこと、そんな幸せを噛み締めながら部屋着を脱ぐ。
………っ!!
姿見に映る自分の肩先に鮮やかな青い花が咲いていた。
左肩を見る。
そこにある小さなホクロを囲むように青い噛み痕が2つ、残されていた。
私の体のパーツで一番どこが好き?と聞かれたとき、私が真っ先に挙げるのがこのホクロで。
肩の真ん中に大きくもなく小さくもなくポツンとあるこれは目立つらしく、若い頃はよくキスマークをつけられていた。
終わり頃に首筋を噛もうとするから首はやめて…とお願いしたのは覚えてるけど。
こんなに鮮やかな花を咲かせてくれていたのか…。
左の二の腕には他にも数カ所噛み痕が残されてるけれど肩ほど色は濃くなくて。
左肩にそっと触れる。
他の人には見せられない青い花。
幸せを心の底から感じられた時間を思い出し、子宮からの訴えに涙がこぼれる。
あと何回、これを味わえるのか。
こんなに、女としての幸せを感じられて良いのか。
…いや、そこに疑問符は挟まない。かけがえのないものをもらえたのだと思おう。
そう涙を拭きながら、私は仕事の顔を身につけた。