”NPO”ではたらくということ
大学1年生から”NPO”に関わり始めて、もう6年目になる。
当時は働き先として"NPO"があるなんて知らなかったし、
知ったあとも気高き殿上人の世界だと思っていたけど、
今では"NPO"で働いている。
まだまだ新卒で"NPO"で働くことを選ぶひとは少ない。
特にわたしの出身大学ではかなり珍しい存在だと思う。
(事実、ネットで公開されている母校卒業生の就職先で、所謂”特非”に就職したのは調べうる限りで1人だけだった。)
そして、おおよそあと半年ちょいで、「社会人」3年目になろうとしている。
これまでを振り返って、”NPO”で働くってどういうことなのか、
何が求められて、何が使命なのか書き留めておきたい。
そもそも”NPO”とは?
「NPO」と聞くと、一般的に思い浮かべられるのは「特定非営利活動法人」であると思うが、広義の”NPO”はそれだけではないはずだ。
一般社団法人や一般財団法人、公益社団法人や公益財団法人、社会福祉法人や学校法人だってそうだし、もっというなら生協や農協、漁協、森林組合だって”NPO”である。
ある意味、学校の先生や医療・福祉を仕事にしているひとは、ある意味”NPO”就職のパイオニアかもしれない。
”NPO”の使命とは?
そんな色々ある”NPO”。
それぞれの法人格に求められることも、持っている性質もあると思うけれど、
共通の使命があるような気がする。
それは、「社会をつくる」ということ。
ありたい、あるべきだという社会をつくるためにあるのが”NPO”なんじゃないか。
何かができるとなった時、「対価を受け取るのは難しい/低額」となっても、
より「あるべき方」を取れるのが”NPO”なんじゃないか。
”NPO”で働くひとは…
そんなNPOで働くひとは、いわば「社会をつくる」ひとであると思う。
じぶんの中に、ありたい社会、欲しい社会があるひと。
そのありたい社会、欲しい社会をつくるために行動できるひと。
じぶんが行動するということでも、プロボノや寄付で応援できるひと。
そんなひとだと、思う。
”NPOで働く”こと
もっと新卒非営利就活って、非営利で働くって、身近になっていいと思う。
けれど、低俗になってはいけないと思う。
ある程度の気高さは必要であると思う。
ありたい社会、欲しい社会をつくるために行動することは必要であると思う。
"NPO"ではたらく時の給与
"NPO"では給与が低いとよく言われる。
清貧の中でも「貧」を求められているというところだろうか。
より社会課題を解決するためにあるのが”NPO”であるとするならば、
あまりにも「貧」では、低賃金労働という新たな社会課題を生んでしまう。
確かに、私利私欲のための給与ではない。
じぶんの暮らしを営み、誰かを応援し、助けるための給与である。
じぶんの暮らしを営むのに精一杯で、誰かを応援したり助けたりする余裕がないのって、社会課題の存在を助長しているのではないか。
”NPO”ではたらくことのイメージ
まだまだ、”NPO”ではたらくということは、なじみのないことだと思う。
就活といえば、民間(営利)か公務員、たまに起業やフリーランスという文脈はまだまだ色濃い。
でも、働き先として、もっと”NPO”が選ばれるようになってもいいはずだ。
何かをやる、ってなった時より「正しい」こと、「楽しい」ことを選べるのは、”NPO”の強みであると思う。
あまりにも利潤が出ない、とか、ニッチすぎる、とか、税金を使うには公平性が心配になる、とかそういう課題はこの世にたくさんある。
でも、”NPO”ならば、そういう課題を解決しようとできるのだ。
小回りが利くし、小さなニーズも拾える。
欲しい社会がある、じぶんの欲しい社会をじぶんの手でつくりたい、
そういうひとたちが働き先として”NPO”を選べるようになって当然である。
わたしは”NPO”で何をしたい?
わたしは、就活をする時、どうしても営利や行政でじぶんがはたらくイメージがつかなかった。
学生の時から関わっている”NPO”から離れたくなかった。
周りで”就職”したひとは営利や行政に行くひとが多かったから、同じような道には行きたくなかった。
だから、”NPO”で働きたいと思うようになった。
でも、”NPO”で働きたい、と思っても、まず情報を集めるのが営利の就活(転職活動)に比べてものすごくハードルが高い。
マ〇ナビみたいな、ナビサイトがあるわけでもない。
("NPO"の求人を紹介するようなサイトがないわけではないが…)
合説があるわけでもない。
団体が見つかっても、活動分野に偏りがあることもある。
事実、わたしの知り合いで”NPO”で働いているひとは、元々学生時代にインターンなどで関わっていたり、友人知人が関わっていて紹介してもらったりしたひとが多い(というか、わたしも今の職場は知り合いに紹介してもらって見つけている)。
まず、新卒で”NPO”で働くことを身近にしたい。
ある種の「気高さ」は失わず。
もっともっと、欲しい社会をつくることのハードルを下げたい。
そして、”NPO”だからといって買い叩いて安い給与を出すのではなく、
はたらくひとの「健康で文化的な最低限度の生活」を保障できて、
誰かを応援したり助けたりできるだけの給与を出せる組織をつくりたい。
”NPO”の持つ意義を伝えたい。
お金を稼げるかそうでないか、ではなく、「欲しい社会はじぶんでつくる」ことをあきらめないために、きちんと対価を払える組織をつくりたい。
「地元」に、働き先としての”NPO”をつくりたい。
ある特定の分野だけでない”NPO”をつくりたい。
そしてそこから、「欲しい社会はじぶんでつくる」ことを体現したい。
―気高さをあてにして誰かをスポイルするのではなく。
そのために、わたしは何をしなきゃないだろう。
どんなことが求められるだろう。
ひとまず、もう”NPO”に関わって6年目になるとは思えぬ浅薄な知識・理論をもっともっと身につけて深めて、じぶんのものにしなきゃないな。
もっともっと、じぶんの言葉で「”NPO”と営利の違い」を説明できるようにならなきゃな。
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