ロッキーホラーショー回顧録【ファントム編】
歌唱指導の立場としてファントムのみなさんの事を書いて行きたいと思います。
ロッキーホラーショーをご覧になった方はご承知の通りファントムのみなさんは舞台上でたくさんのお役目がありました。
歌もそのひとつ。
慣れないことをやるのに不安も多かった事と思います。
初めての歌稽古の時、とてもお声が小さかったのを覚えてます。
とにかく声を出すことにまず慣れていただきたい。
ご自身のパートの音を覚えていただく事から始まりました。
ひとつひとつ丁寧に。
身体に覚えさせる。
そして少しずつ声を大きくしていただく。
地道な稽古が続きました。
ここで気をつけたポイントとしては、公演期間が長いのでみなさんの声をどう維持して行くか。という事でした。
大きい声を出そうとするとどうしても声帯に負担をかける発声をしてしまうので、身体を使って発声する方法を稽古前にお時間をいただきやらせていただいたのはとても効果があったと思います。
短期間であれだけの多くの楽曲のコーラスを覚えたのは彼らの集中力のなせる技だと思っております。本当に凄い。
音は覚えた。音符の長さも理解した。
さぁここからは色付けです。
細かいニュアンスをみなさんがわかりやすい表現でお伝えするように心がけました。
例えば、ピッチが下がりやすい時は「UFOキャッチャーのように音をつまみ上げるイメージ」とか。
【歌唱編】で書いた様々なイメージをみんなで共有したりとか。
音を大きくしたり小さくしたり、曲のイメージに合わせて歌っていただいたり、振り付けや様々な事と同時進行でとにかく本当に大変だったと思いますが、稽古が進むにつれ声がどんどんブラッシュアップして行き、とても嬉しく思っておりました。
歌だけではなく、「感染対策に余念がないぞセブン」のセリフの時の声の状態も逐一確認しておりました。
「こういう声で喋るんですけどどうすれば辛くないですか?」等の質問もいただきながら解決策を見出し喋っていただくという事もありました。
劇場ではみんなで声出しをする時間を設けて声のウォーミングアップも欠かさずやらせていただきました。
彼らの声があってこそロッキーホラーショーのコーラスは成り立っており、そこにむっちりシスターズやバンドの方たちの声を付け足したことで(もちろんキャストの皆さまのお声も!)ご覧いただいた皆さまにお届けできたのではないかと思っております。
年齢的にも自分の子供と言っても過言ではないファントムのみなさん(勝手に自分の子供たちと思っておりましたw)。
私の拙い歌唱指導についてきてくださり本当にありがとうございました。
みなさんのお声が、歌が日々素晴らしくなって行くのを目を細めて聴いておりました。
公演終了間際、ファントムの方々から「こんなに凄い方たちの中で歌うなんてどうしよう。と思ってました。でも今はとっても楽しいです!」や「声を出すこと、歌うことがとても楽しくなりました!」と言ってくださった言葉は私の宝物になりました。
TACCHIくん、GENTAくん、P→★くん、UFOくん、MARIEちゃん、MIKUちゃん、YUYUちゃん、本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。
みんな愛してます。