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私のイカ人生 ②

2.より深く、イカになる

オタクなので、ハマったものの世界観を調べるのはお約束。
なんと!スプラトゥーンってポストアポカリプスな話じゃないか!
あんな能天気にインクをまき散らしてるイカ達が、次の人類だったとは!
なんてこと考えたんだ、任天堂!!

設定が刺さりまくった私は「こんな設定なら、絶対二次創作もあるはず!」とTwitterやpixivで検索を始めてしまう。

オタクだからねw

検索結果は大漁……いや、大量で、ホクホクしながら読み耽り、ますますイカ達の世界にのめり込んでいく。

もう止まらない……オタクだからねw

アニメや漫画の二次創作って、既存のキャラを動かす、という形なのだけれど、イカの場合、個々のイカの設定はプレイヤーや創作者によって全く違うわけで。
そこのところは一般的な二次創作と異なるところ。
スプラトゥーンの二次創作は、1.5次創作と言ってもいいんじゃないかと思う。
イカの世界観を使って、世界観から離れないように独自の設定で物語を作っていけるので、インクカラーのようにいろいろな物語が読めて、オタクは歓喜の涙を流していた。

たくさんのイカ創作に触れ、自分の中でも物語がふつふつと湧きあがってきた。
私の中に生まれたイカの物語はこうだ。

現代の高校生の少女・ミオが、ゲーム中にハイカラシティに迷い込む。
知っているのは、ゲームで見聞きしたことだけ。
イカ達がどうやって生活しているのかさえわからないままバトルを続け、行き倒れる。
そんな少女に手を差し伸べたのは、リッスコ使いのボーイ・アオイだった。
アオイに憧れ、ウデマエを上げようと奮闘するミオ。
いつしか二人は惹かれあい、相思相愛の仲になる。
ヒーロー3号のアオイがタコツボバレーのさらに奥で人間の兵器により瀕死の怪我を負う。
ミオはイカの世界に人間の兵器が広まらないように、それらを無力化するためにタコツボの最奥へ向かう。
そこでミオはなぜ自分がイカの世界にやってきたのかを知る。
それを知ること、そしてアオイと愛し合うためにミオはこの世界に迷い込んだのだ。
役目を終えたミオは現代へ帰る。
目を開くと、マリタイム・メモリーが流れていて、画面には二人のヒーローが映し出されていた。

「1万2000年の恋人」/ちえぞぉ

これが『1万2000年の恋人』のあらすじである。
1話から3話までは読み手を掴むパイロット版として、1週間おきにupした覚えがある。
スプラトゥーンを始めて1か月半で1話を書き上げupして、3話まで計2万5000字、遅筆の私にしてはかなりのスピードで書きあげた。
それだけどっぷりとイカの世界に浸かっていた。

それと前後して、Twitterでイカ創作している人をフォローしはじめ、少しずつ交流をしていった。その中でもNageちゃんと、彼女の創作や人柄に惹かれて集まっていた人達と絡むようになり、ずっと一人でイカをやっていた私にもフレンドができた。
イカの世界がまた広がった気がした。

ある日、みんなでプラベをやることになり、私も呼ばれた。
半分お遊び、半分ガチというスタンスで遊んだけれど、そこで私は気づいてしまった。

自分が、とてつもなくヘタクソであるということを。

集まった人達は発売当初からスプラトゥーンをやっていて、ウデマエもS+やSばかり。
その中にB-の私がいる。
大人の中に幼稚園児が入って、トンチキなことをしつつインクをばら撒いているという構図。
一緒に遊べる仲間ができて嬉しい反面、自分のレベルの低さがわかってしまった。

始めて2か月も経たないビギナーが何を言ってる、そんなの当然じゃないか、と今は苦笑してしまうけれど、あのとき、私は切実に思ってしまったのだ。
ウデマエを上げて、みんなと同じものが見たい、と。

これが私の原点。

ここから私の果てしない、まだ終着点すらも見えていないウデマエ上げの旅が始まった。

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