王子様のいない世界でただ手をつなぐということ
振り返るとあたしはどれだけ王子様を求めてきたんだろう。あまりにも赤裸々で恥ずかしくなる。でもそのくらいあたしの頭の中は王子様でいっぱいだったんだろう。別に王子様に憧れて育ったわけじゃない。ときめきトゥナイトの真壁俊やはいからさんが通るの少尉には確かに憧れていたけれど、「いつか王子様が…」と夜空を潤んだ瞳で見上げていたわけでは決してない。
思えばこのnoteのはじまりはあたしが泡になったところからはじまる。だからこうほぼ健康状態になった今、読み返すのは本当に顔から火が出るほど恥ずかしい。千絵ノムラblogの方もしかり。しかもあっちはまったく更新していないので、上位にそれがあがっている。じゃあ消せばいいじゃない、となるけれど、あたしは消さない。それは過去を消すことだから。だって確かにそれらの記事を書いたあたしはいたんだもん。
いまあたしはきっと王子様と手をつないでる。王子様のいない世界ではない。いや、そもそも誰があたしの王子様なの? そこを詰めると長い話になるし涙がちょちょぎれそうになるからやめとくね。
昨夜はそんな夢を見ましたね。あたしの長年の片思いの人の夢。つぶやきにも書きましたが、あたしはあんな夢を見るためにここまで生きてきたのではないのよ?
ただ、やはり手をつなぐということは力がでます。昔から手をつなぐことが何よりも好きでした。はじめての彼はいつも手をつないでくれてて、その次の彼はワケありだったから、公然と手をつなぐわけにいかなくて。きっとそのトラウマはすごく大きい。だから異様にあたしは手をつなぐことを望む。
ある彼とはみんながいる店内でこっそりと手をつないでて、ばれないかドキドキして、やっぱりちょっと楽しかった。あ、そう思うとそういうことは、この他にもときたまありましたね。人はスリルを楽しむ。
そして最初はね、キスもセックスもしないでただ手をつないでたんです。何年も。それがすごーく心地よかったのにな。
王子様のいない世界でただ手をつなぐということ。
これはある本のコラムのタイトルからいただいてます。すごーく素敵。なにこのタイトル。だから使わせていただきました。
あたしは元気です。でもそれもつかの間なんだろうな。もっと元気な時にいっぱい書いとけばよかったな。
これをわんさか書いていた時は、書かないと息ができなかったの。激しい情緒不安定でひとりでいるとどうにかなっちゃいそうで、だからとりあえずこれに書き連ねてた。だから気持ち悪い文ばかりなのですが、言葉に救われていました。
幸せだとね、ついつい書くのを怠ってしまう。そして生活が満たされているとね。
あたしはいま手をつないでる。
王子様のいない世界で、ただただ手のぬくもりを。