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診療報酬改定、加算、と聞いて思うこと

https://www.jmp.co.jp/seminar/kansai/goudou20191123/

先日、日本医療企画様主催の医療連携士・介護福祉経営士・栄養経営士関西支部合同研究会で、「寄り添いの地域連携〜事務職員だからこそ知っておきたい退院支援」と題してお話をさせていただきました。

入退院支援に関わる加算とそれが意味する「本当の現場の意味」についてお伝えしていきました。

ある連携室の年間目標で、質の高い地域連携と掲げていたとします。質の高いって?と経営陣に言われて悩んでいる、と、相談を受けた時の話を思い出しながらお話をしました。

そこでは、質の高さを数値化するときに「入退院支援加算をたくさん算定した」とか、「共同指導料の算定できるカンファレンスをたくさんした」とかをアウトカムにしようとされていました。とても違和感です。
それは、「質の高い地域連携」と言えるんでしょうか?
他職種連携、多職種連携、って、本当に連携しているのかな?

その人らしく、そして、早期に安全に、安心して家に帰れるような取り組みはどう評価するのがいいのだろう。もっと考えて欲しいと思いました。

もっともっと、頭を柔らかくしないといけません。

頭を柔らかくする、発想を展開しないといけない災害ゲームを行なってアイスブレイク。そのあと、各制度上の話とその事例、リアルな現場の話をしました。

制度や加算は、昔よりぐっと現場に近い視点で、現実的なものになっています。

リアリティに溢れたものと感じるのは、現場を知っている人だろうと思いますが、さて、それを活かしきれているのだろうか。そして、加算が取れるから現場が楽になるのか、もしくは充実するのか。

医療職はどんな思いで、その加算要件を満たしているのか。

「加算を取得する」ことに必死になって、「加算を追いかけているうちに次の改定が来てしまう」なんてことになってないだろうか。

どうしても、要件と点数に目が行きがちの、診療報酬改定。私もそうですが、その改定の成り立ちや背景をしっかり理解しない限り、患者に向き合いより患者に近い医療職には経営側の声は届くどころか、敵、とタグづけされてしまうように思います。

フロアから「院内連携が一番難しい」という言葉を正直にいただきました。わかりあえないと、同じ方向に向かないといけない人たちとの関係性は本当に重要で難しいです。

でも、そもそも、加算は、

それを行う、医療職専門職が、十分に「病院」という機能を果たすために、患者に寄り添ったり、患者に寄り添う時間を十分に有効に発揮していることに(もしくは発揮することに対する)評価です。

もともと、褥瘡対策、にしても、口腔ケア、にしても、退院支援、にしても。

ずっとずっと現場が、先行投資で、工夫をし、知識を得、頑張って積み上げた実績で、やっと認められてきたもの。

昔々。事務方の人に「この取り組み、やっと来年から診療報酬で認められるよ、よかったね」と言って貰ったこと、今だに忘れられません。

今、その未来の加算を生み出すような現場だろうか。

医療費削減と、未病管理、人不足であっても支え合っていける現場のための取り組みなど、たくさんの背景を含んだ病院や地域医療に認められる評価。

未来のための取り組みがなされている現場こそ、生き残っていける、病院・地域だろうと思っています。

こんなことを真剣に考えているのは、私が人生後半戦に入ってきているからだろうとも思います。自分がどんなエンドオブライフを送りたいか。今の医療現場でそれば満たされるのか。そして、自分は国民として何をすべきか。医療職として何をすべきか。教育支援で何をすべきか。

そんなことを考えながら、研修の準備をさせていただいた、機会でした。

ご縁をいただいたこと、心から感謝です。


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