人と人との関係性が医療を支える2(「がんになる前に知っておきたいこと」を観て。)
ここの続きです。
トークイベントの中で、お話しされていたことの一つで、
IC(インフォームドコンセント)の概念。
「説明と同意」という和訳がいろんな間違いを生んでいるのではないかというお話になりました。
ICをした、とよく現場で言いますが、それは厳密には間違いで、
ICは、得ていくもの、と。
田村さんの柔らかい視点はさらに続きます。
患者はICをする上では、賢くなるべきですが、なかなか医者に異論は唱えられないもの。だから、わからないのに、はい、と言わないこと。そこから始まではどうか、と教えてくれました。
自律性は、ICにおいては必須ですが、なかなか日本人には馴染まないもの。
自由な選択には責任が伴います。だからこそ、わからないままに選択しないでと言うことなのでしょう。
ICのもう一つの側面。医療者は、ICを、訴訟対策にしがちと言うことが監督から発言がありました。
田村さんによると、選択肢を提示したときに、先生なら誰にしますか?と言われたとき、誘導するのはいけないからと真面目な人ほど答えないといいます。
昔の医師との大きな違いだと。
でも、ICを訴訟対策にしない。その人の人生を考えたときに、看護師が患者にできることってなんだろうとふと考えました。
彼女の答えは明確でした。
「親切なひとになるだけなら、近所の知り合いでいい。
看護師だからできるのは経験値、医学的知識
などから言えることがあるはず。
関係性が医療を支えるというのは、絶対。
医療過誤を恐れて言わないということよりも、関係性があれば言えることがある。」
というようなことを言ってくれました。
わたしも、いかに関係性を保ち意図的に関わるかということは大切だと思っています。
そこでできた関係性の中で、
わたしならこう思うと言った言葉が本当にその人を思う気持ちに裏打ちされていたなら自律性を損なうことも訴訟になることもないのだろうとおもっていますし、
事実それによって、とてもいいがん末期や人生の終焉をお支えさせていただいた経験は数多くあります。地域連携室看護師の醍醐味ですね。
人と人との関係性が、医療を支え、その人を支える。ってことかなあと再度認識しました。
もう一つ、印象に残ったこと。そして、そこから映画の本質に気が付いたことがありました。(続きます。)
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