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《転職起業記録⑥》お客さんは誰か、そのお金はどこから出ているのか
保育士資格取得目指して勉強している中で、保育園や子育て支援センターなどの親子支援事業全体の経営がどのようなものか調べていて思ったことがあります。
提供したものに対する対価を直接お客さんから頂く収益事業が基本的に世の中の商売だと思うのですが、保育園や子育て支援センターなどの事業はちがうんですよね。
例えば、飲食店ならご飯を食べて空間を提供してもらってることに対するお礼をお金で支払う。飲食店はお金を払ってもらった利用者がお客様になり、その人にまた来てもらう努力をする。習い事も同じ。ほとんどの民間事業はこの仕組み。
だけど保育園や支援センター、図書館などなどの多くの行政事業は、基本的に利用者からはお金をもらわず、税金でその運営費が支払われるわけです。
例えば保育園へ通うのにも、お金がかからない(0~2歳は有料)
支援センターも居場所として使うのも、お金がかからない。
しかし当然家賃や人件費などがかかってるわけで、それは国や県市などの自治体からお支払い頂けるわけです。
その自治体へは誰がお金を払っているかっていうと、やはり私たち市民なんですね。
(つたない絵ですが、笑)
だから、保育園や支援センターなど行政施設は、無料なのだよね。と、当たり前なのだけどこの仕組みって結構すごいなと思う。
利用者がお金を払わないで、利用者含む他の人みんなが、利用者のためにお金を払う。
そう考えた時、補助金をもらって運営してるあらゆる事業は、誰がお客さんなんだろうか?
直接お金をくれる人がお客さんでない商売の場合も、お金をくれる人がお客さんなのか?そうなるとお客さんは「行政」?と考えがちだけど、その行政も民間からお金をもらうことで運営している。
え・・・じゃ、一体だれがお客さんなの?
事業の目的は顧客の創造である
マネジメントの神様といわれるドラッカーはこのように言います。
顧客の創造とは、新しいお客さんを生み増やし続けていくこと。
この観点から言うと、子育て支援に関する顧客はやはり「親子」なんだと思う。
そこに集う親子が利用に満足し、また来たいと思う。
そこに来る親子が幸せになり、また来たいなと思う。
他の親子に紹介したいなと思う。
他の親子もまた満足して帰っていき、また来たいなと思う。
その親子がまた他の親子へ紹介したいなと思う。
その連鎖を創ることなんだろうなと思うんです。
直接お金のやり取りをしていないから、お金の出どころもわからないし、そのお金の発生に対する感謝もちょっとよくわからなくなりがちなのが、補助金の罠なのかなと思うのだけど、
やはり根幹は「誰を幸せにしたいか」が「誰がお客さんか」につながるのだと思う。
この人たちを幸せにしたい!というその想い感動した行政が事業主にお金を払う。
行政にお金を払う市民もその想いや活動に納得する。
幸せにされるべき利用者が笑顔で幸せになっていく。
その連鎖を創ることが大切なのだけど、意外にみんなこれを忘れているのではないかとフト思う。
例えば子育て支援センター。
年々利用者数が減ってきている。それはもちろん少子化や就業数の増加も理由としてはあると思う。だけど子どもは毎年一定数生まれている。
しかしそもそも魅力的な場所にする努力をしているか。
顧客にリーチさせようと努力しているか。
顧客の満足度を調査しているか。
顧客の抱える不安を理解しているか。
顧客が今欲しいものをヒアリングしているか。
顧客が何がハードルで利用しないのか理解しているか。
来てもらうためにあらゆる手立てを尽くしているか。
そこを徹底していないと、みんなからの税金で成り立ってる補助金はもらってはいけないのではと思う。だって民間事業は必死になって生き残るために働いて働いて、それで税金を納めているのであって、必死に働いて納めた税金を使わせていただいているのに「人が来ないんですよ~」とノホホンとしていては絶対にいけない。
これから子育て支援を行政からお金をもらってする私自身への戒めとして、常に顧客のことを第一に考え、顧客のことを知り理解する努力を惜しまないで居たいなと思うのです。
そして一緒に協力しあって、一緒にまちの子育て良くしていきたい。
その想いは、どんな事業者もみんな共通のものなんじゃないかなと思うから。