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”Birth review Session”はじめます 〜記憶から辿る出産体験

Birth review(バースレビュー)」ってご存知ですか?

Birth reviewとは、出産を終えた女性が、産後48時間以内に分娩の担当助産師とともに出産体験を振り返るもの。
この出産体験の振り返りは、さまざまな効果が期待できる。

・お産に対してのわだかまりや否定的な感情を持っていたとしても、ことばとして表現することで受け入れたり、肯定的なイメージとして捉えられる。
・肯定的に捉えられることで自信につながる。
・得られた自信が、子育てする上で支えになり、前向きになれる。

しかし、実際に臨床の現場では医療者側・産後の女性ともに、そういった機会をゆっくりと設けられない所もあるのが事実である。
もしくは、バースレビューという機会があったとしても、
(こんな風に言ったら、要注意な母親だと思われるんじゃないか。)
(あんな風に言ったら、担当助産師に嫌な想いをさせるんじゃないか。)
などなど。

私自身も助産師でありながら、そんなふうに思う場面があったから。

母親は逞しいとか、強いなあと思うことが多々あるけれど。
母親である前に誰もが、1人の女性。
出産を機に、これまで経験したことのない責任だったり、覚悟をするんじゃないかな。




ここからは、私の振り返りだ。
2人目の出産は予定外だらけだった。
妊娠中にCOVID–19に感染したものの、妊婦健診の経過には問題もなく、私自身も無事に出産を終えることしか考えていなかった。
ただ、里帰りしてからは眠れない日も続いた。
助産師としての知識もあるせいか急に不安が押し寄せたり。
長女の寝顔を見ながら、もし何かあったら…
私はもうこの子の寝顔を見れないのか。
お腹の子の成長はちゃんと見れるだろうか。
とかね。(考えすぎ?)
身近にそんな事を想像させるような出来事もあったから止むを得ないだろう。

コロナ禍での里帰りだったため、2週間の隔離期間がただただ過ぎて行った。
隔離期間が終えた頃、その日は突然やってきた。(みんな突然か。)

35週6日
朝からお腹の違和感と、時間が経つにつれ規則的な痛みに変わる。
まさかなと思いながらも里帰り先の病院を受診。(里帰後の健診も問題なかった)
子宮口は5cmまで開き、胎胞傍隆と知らされる。


詰んだ。(覚悟するのは早かった)

週数的に管理できないため、隣街のNICUが備えられた病院へ母体搬送である。
付き添って乗ることは何度もあったが、当事者になるのは初めてだった。
必要な処置等、迅速に対応して頂き(最中はただただ平謝り)、無事転院。
到着してからは1時間ほどで生まれた。
元気に泣いていたし、ほっとした。
「NICUで預かりますね」
「お願いします。(だよな)」って。

興奮状態で、夜はあまり眠れなかった。
翌日、NICUに息子に会いに行く。

保育器の中には小さな息子。
点滴や呼吸器、モニターのコード。
思わず涙が浮かんだ。
「早く産んでしまってごめんね。」
(これらの機械がないと、この子は生きられないのか)
って。

確か、早めに退室した気がする。
(スタッフに泣いてるのバレたくなかったから。)

それからの入院期間は抱っこすることも授乳することもなく、
1日2〜3回の面会のみ。
会えない間はひたすら母乳を絞る。

やっぱり期待してたんだ。どこか当たり前だと想ってたんだ。
出産して、元気な姿で分娩台の上で写真を撮ったり、授乳したり抱っこしたり。
それが叶わず、ただ1人の時間を連日過ごす。
それでも、息子は小さな身体で頑張ってくれてるし、長女も初めてこんなに私と離れて祖母と過ごしてる。

頑張らないと、今私にできることをやろう。
入院した病院は、レポート形式でバースレビューを書いて面談があった。
助産師と言う事も知られていたし、淡々と過ごすつもりだった。
面談は、若い助産師さんが少し申し訳なさそうにやってきた。
さらっと終えるつもりが気づけば涙が止まらなかったのを覚えてる。

その後、経産婦という事もあり、産後4日目での退院が可能だった。
長女も我慢していることだし、息子の入院期間は目処が立たないので退院することに。
会いたくてたまらなかった長女。どんな顔をするんだろう。
泣くかな?怒るかな?戸惑うかな?

そんな想いも一瞬で、遠くから名前を呼ぶと長女は迷うことなく駆け寄ってきて私をぎゅーっと抱きしめてくれた。
私の中の張り詰めていた糸がプツンと切れた。
泣いてるのは私だけだった。笑


コロナ禍の対応という事もあり、退院後は母乳を届けることくらいで窓越しでの面会すらできなかった。
一番顔が変わる時期に私は息子の顔をまともに見れなかった。
(入院中の面会も光線療法によるアイマスクでまともに見れてない)

週に2〜3回、母乳を届けるために娘を置いて、片道40分の距離を車で通った。
目と鼻の先にいるのに、様子が見れないのは辛かった。
俗に言う、産後の豆腐メンタルは恐ろしい。
「ほぼ1ヶ月、抱っこもできず、顔もまともに見ていない息子。私は可愛いと思えるのか、愛情を持って育てられるのか。」
そんな風に思った。

退院の目処がついた頃、授乳の機会があった。
産後3週間にして初めての授乳。
私の不安をかき消すように息子は力強く上手に、コクコクと飲んだ。

息子が退院して家に連れて帰るなり、長女はお姉さんの顔をしてた。



これが、今振り返る私の出産体験だ。

冒頭で本来のBirth review について紹介したが、私はいつ振り返ってもいいと思っている。
出産は女性にとっての大きなライフイベントであり、思い入れも強いと思う。
妊娠がわかってから、出産を迎えるその瞬間まで、
楽しみもありつつ、いろんな不安を抱えながら。
時には何かを我慢したり、学んだり。
全て、いずれ会えるであろう唯一無二の”わが子”のために。

出産に対しての不安の中、頑張れるのもそのためだけだろう。

でも出産はゴールではなくて、これから子育ての始まりでもある。
その始まりに何かモヤモヤやわだかまりを感じたり、自信を無くしてしまうのはもったいない。


今はこうして目の前に、あの時会いたくてたまらなかった”わが子”がいる。
今からでも遅くない。
今だからこそ、あの時の自分を客観視して振り返ってみませんか。

私は担当助産師でもないけれど、だからこそ気負いなく表現できることもあるはず。
必要であれば、時には専門的な解説も可能です。
(あの時のあの処置は何のため?とか、私のせい?とか思うことも。)

綺麗なことばでまとめたり、話そうとする必要はありません。
自然に出てくる感情そのままにぶつけてください。


あなたの出産体験聞かせてください♡


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