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家を空けたひとり旅で、空の巣症候群を味わった話

昨日、とあるライブへと行ってきた。
場所は東京。

平日に挟まれた祝日ということもあり、家族と相談の上、私のみが行くことに。

そう。
完全ひとり旅だ。

普段、1人で出かけるとしたらちょっとそこまでの用事とか、行って日帰りのプチ遠出とか。

そんな私が単独行動
今回はしかも、まだそこそこ土地勘あってなんとかなる地元、ではなく完全アウェイの東京。さらに一度も行ったことのない会場。

時間までに辿り着けるのか?
乗り換えちゃんとできるのか?
ライブ後無事に帰って来れるのか?

もう全てが未知。
未知未知である。
そして、未知のものに対してとにかくビビリの私。

1人単位での移動が普段少ないと、こういう時、謎に緊張が高まる。

会場までの交通経路、当日の天気や気温、そこから必要になりそうな物etc…

入念に、入念に、ただでさえウッカリだからここは気を引き締めて…

なんて張り詰めていたからか、単純にその数日前の大寒波で気温の乱高下に体が追いつかなかったからか、4日前に突如ダウンしてしまった。
受診して、インフルエンザなどでなかったのはよかったものの、数日の間ひたすらこんこんと眠りこけた。

そうでなくてもライブで家族には無理をきいてもらってるのに、こんなことになるとは情けないやら、家の中どうなるんだろうと気がかりやら。

はたして、私が冬眠中のクマかくらいに寝倒している間、夫くんは洗濯機を回し服を干し、子どもは食事を用意して服を取り込み風呂を洗っていた。

案外にも家はまぁそれなりに回っていたのだ。
毎日の花の水換えが、とかドライマークの洗濯物はずっと手つかずとか、些末っちゃまぁそうなんだけど、という細かい部分は別として。

…え。なんと。
君たちいつの間にそこまで家事力上がってたの。
ありがたいやら意外やら、そんな中どうにか体調も回復し、無事ライブにも行けた。

楽しいライブひとり旅を終えた帰路ー。
安心して遠出ができるようになったのは嬉しい反面、ふと感じる一抹のザワザワ感。

なんだろう。
楽しかった非日常から、慌ただしい日常へと戻るから?
それもあるけど、私の家事力がなくても、うちの家族はなんとかなるんだなという事がなんだか、ちょっとした喪失感に思えたのだ。

そりゃあ「私がいなきゃ家が回んない」という事態よりはその逆の方が私的にも助かるし、家族にとってもその方がいいだろうと思うんだけども。

「私がいなきゃいけないわけでもないんだな」というありがたさと寂しさは、不思議にも表裏一体なのだと感じたのである。

親離れしていく子どもを見送るのにも似た感じ。

子どもの巣立った空の家で親が寂しさを感じる「空の巣症候群」は知ってたけども、自分が家を空けてる間にそんな寂しさを感じる日が来ようとは。

喜ばしいっちゃ喜ばしい、でも言いようのない喪失感。
しかしそんなフェーズなんだろうなと思う。
絶対的に家にいるべき存在だった(と、私が思っていた)自分から、いなきゃいなくてもなんとかなる。私に対して置かれていたニーズの濃度が変化しているのだ。

まぁだからってさっさと家のことは丸投げて、好きなことしまーす!としたいわけでもないので、徐々に私から離れていく責任を感じながら、順を追って軽くなっていく我が身を噛み締めようと思う。

そんなふわっとしたザワザワと、東京ばな奈をお土産に、私のひとり旅は幕を閉じた。

それはそうと、私が観に行ったライブは3人のギタリストの名演をこれでもかと味わえて最高だったので、ほんと行って良かったです。

いつか会いたいと思っていた人にもリアルで会えたのもいい思い出。

協力してくれた家族、会ってくれた友人、読んでくれたあなた、ありがとうございます!

感謝!

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