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地蔵院(椿寺)の五劫思惟阿弥陀如来「愛称アフロ仏」〜「京の冬の旅」の特別公開〜

京都デスティネーション 「第59回京の冬の旅」、2箇所目に行ってきました。
先日の頂法寺(六角堂)に続き、今日は地蔵院(竹寺ではなく椿寺の方)です。
奈良時代の高僧・行基の創建と伝わる由緒ある寺院です。
椿で有名なお寺でしたら京都には他にもありますが、このお寺が通称「椿寺」と呼ばれているのにはそれなりの理由があります。

1本の木に白色、ピンク、紅色、絞りなどの花が咲き、普通の椿は花ごと落下するのに、この椿は花びらが一片ずつ散ることから「五色八重散椿(ごしきやえちりつばき)」と呼ばれる珍しい椿の木があること。
この名木は、加藤清正が、文禄の役の朝鮮出兵の際に持ち帰り、豊臣秀吉に献上したもので、北野大茶会の際に、秀吉が地蔵院に寄進したものというのです。
確かに北野天満宮は目と鼻の先。私も今日は北野天満宮の前を通ってこのお寺へ来ました。本堂での説明を聞いて納得。
初代の樹は、に樹齢約400年にて枯死し、現在は、樹齢約100年の二世ですが、3月下旬から4月中旬が見頃なので今はまだ咲いていません。

さて、今回このお寺へ出かけたのは、ぜひとも愛称アフロ(ヘア)仏 のある五劫思惟阿弥陀如来を拝みたかったからです。
頭部の螺髪が伸びた大きな髪型が特徴なのですが、私にはどうにもカツラにしか見えませんでした。
その髪形についても今回、本堂で伺った説明でよくわかりました。
阿弥陀様がお悟りを開かれる前の法蔵菩薩の時、五劫という気の遠くなるような長い時間、思惟をこらし修行をされた結果、髪の毛が伸びて渦高く螺髪を積み重ねた頭となられた様子を表しているそうです。
アフロ仏は全国で16体しか見られない珍しいお姿だそうですが、京都市内で有名なのが金戒光明寺の石像です。残念ながら私はまだ拝見しておりませんが。

地蔵院本尊の五劫思惟阿弥陀如来は、重源上人が招来したもので、唐の善導大師の作とのこと。江戸時代初期に東大寺からこちらのお寺へ来られたそうです。
胸の前で手を合掌されている合掌印でした。約90cmの高さの木造坐像ですが、木造には見えないほど艶々して、お顔もふっくらとしてピカピカ光って見えました。

今回の特別公開では、観音堂の木造十一面観音菩薩立像の美しいお姿も近くでお参りできます。
また、このお寺には赤穂浪士の討ち入りに協力したといわれている天野屋利兵衛のお墓もあるのですが、今回の公開では赤穂浪士討ち入りの日の12月14日にのみ一般公開される利兵衛の木像、利兵衛が愛用していたという算盤なども本堂で見ることができます。

小さなお寺ですが見どころがたくさん詰まっているお寺でした。
五色八重散椿が咲く頃にもう一度訪ねてみたいと思いました。


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