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六角堂の如意輪観音4尊へお参り〜京の冬の旅〜

京都デスティネーションキャンペーンの「京の冬の旅」が始まっているので、まずは六角堂(頂法寺)へ行ってきました。
このキャンペーンは、夏季・冬季の閑散期対策として、非公開文化財の特別公開や歴史・伝統文化など京都ならではの特別な体験を提供する事業として始まったものですが、冬の旅は今年で59回目とのこと。そんなに長く続いていたとは知りませんでした。

東京に住んでいた頃から、春秋の行楽シーズは避けて敢えて寒い冬の京都へ来ることは多かったのですが、そんな時に普段は非公開の寺院の仏像や庭園などを拝観できると、得をした気分になりました。
京都に住んでみると、この機会を逃してもまた何かのときに行けるという気持ちがどこかにあるので、毎回どこへ行こうかはじっくりHPやパンフを見定めて行きたい場所を決めています。
ただし、その時々で初公開とか 10年ぶり、20年ぶりの公開される場所があると、ついそこへ行きたくなってしまいます。

さて、六角堂(頂法寺)です。京都の中心地にありますので日頃からよく前を通りますし、何度もお参りさせて頂いているお寺なのですが、今回は通常非公開の本堂の内陣まで入ることができるということで行ってきました。
六角堂という通称は、本堂の六角宝形造からきています。創建は聖徳太子です。
聖徳太子が大阪・四天王寺建立のための用材を求めてこの地を訪れて泉に出合って沐浴した際に、近くの木に掛けておいた念持仏をはずそうとしたところ、木から離れなくなり、光を放ってお告げを授けたそうです。太子はこの地が霊域と悟り、この観音を祀る六角堂を建てたということです。
いけばな発祥の地でもあり、華道家池坊宗家が代々住職を兼ねています。

まず内陣入口に厨子の中に入った聖徳太子像を拝観できます。
そして内陣正面の左脇侍に平安時代後期作「毘沙門天立像」(重文)が安置されているのがわかりましたが、暗くて全体像までよく拝観できませんでした。

ご本尊は、聖徳太子の念持仏の如意輪観音像で約5.5cmという小さな像ですが、秘仏ですので厨子に入っています。その前に祀られているのがご本尊の御前立である如意輪観音像です。
通常お参りする場合には外から金網越しにこちらの御前立を拝んでいます。

ご本尊からは五色の糸が結えられており、御前立に結ばれ、さらに前に置かれた五鈷杵(ごこしょ、密教法具)に繋がっていました。参拝者は、この五鈷杵に触れて、結縁するということだそうです。ここがこの日のクライマックスですから、参拝者が他にいないことをいいことに少し長く触れさせていただきました。

そして今回は、厨子の左前にも建礼門院徳子(平徳子)が安産祈願として寄進した像と伝わる如意輪観音像が御前立として祀られていました。解説の人が見える角度を教えてくれなければ見逃していましたが、小さくて暗がりに金色に輝く像でした。内陣右には「地蔵菩薩立像」がおわしました。こちらも暗くてよく見えませんでしたが、何となく優しいお顔に見えました。

さらに今回の特別公開では隣接する「いけばな資料館」での寺宝特別展も見ることができます。ここで必見なのは、本尊御前立の伝弘法大師作 如意輪観音鞘仏です。
ご本尊を体内に納めることができる鞘仏(さやぼとけ)で、像背後に納入することのできる蓋の付いた空間がありました。こちらはガラスケースに安置されているのでよく見えます。

結果的に、この日は厨子の中におわすご本尊と御前立の仏像の計4尊もの如意輪観音をお参りすることができました。
如意輪観音についての説明をみると、「如意」とは意のままに智慧や財宝、福徳もたらす如意宝珠という宝の珠のことで、「輪」は煩悩を打ち砕く法輪のこと。
全ての願いを叶え、あらゆる煩悩を打ち砕くとは、最強!しかも、その4倍です。

ご本尊のご開帳は何年か前にあったそうですが、次はいつになるかわからないそうなので、気長に期待したいものです。

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