ギタリスト智詠 2021年参加CDのご紹介
2021年秋、これまで本当に動かなかったいろいろなものが一気に動き出しました。SNSのタイムラインには友人や音楽仲間が全国を駆け巡る様子がどんどんアップされ、昨年の秋に比べればはるかに希望の持てる空気になっている気がします。
私もおかげさまで、秋以降はほぼ毎週末イベントでの演奏機会に恵まれています。もちろん油断はできませんし、「元通り」にはほど遠い状況ですが、この1年半考えたり悩んだり、試行錯誤してきたことを生かせる時期がようやくやってきたと実感しています。
さて、この秋に自分が参加したCDが3作続けてリリースされました。いずれも南米の「フォルクローレ」を基調にした作品です。
ウタウアシブエ トリオ『鳥の歌』
まずは先日ブログでもご紹介したウタウアシブエ トリオ『鳥の歌』、サンポーニャ・ケーナ奏者の岡田浩安さん、ギタリスト智詠、ハンドパーカッショニスト熊本比呂志さんのトリオによるCDです。
まるでスタジオライブのような雰囲気で、ライブをリアルタイムで楽しんでいただけるような仕上がりになっています。実際に「ウタウアシブエ トリオ」のライブで何度も演奏してきたレパートリーを収録しています。
トリオ結成15年目にして満を持して発表のこの作品、レコーディングしたのはなんと2年前。録音のフレッシュさをキープしつつも、じっくり長期熟成を重ねながら、岡田さんが優しくも力強いサウンドに仕上げてくださいました。夏にミックス(編集)段階の音源を聴いたときは泣きそうになったくらいです。それだけで「このCDを収録したころの、いやそれ以上の演奏ができる状態になっておきたい」という活力になりました。 ※1
『鳥の歌』 収録曲
1.ペロータ
2.カゼイロ
3.What a Wonderful World
4.手品師ワルテル
5.The Stranger
6.Tusuy トゥスイ
7.君の影になりたい
8.鳥の歌 El Cant dels Ocells
9.Travessia トラベシア
HIROYASU OKADA 岡田浩安
CHIEI 智詠
HIROSHI KUMAMOTO 熊本比呂志
guest : RUTSUKO KUMASAKA 熊坂路得子(Accordion)1,2
アルボリビエント 『羽風の舞う時』
ケーナ・サンポーニャ・ケーナ奏者の勝野勉さん、ギタリストの正木良久さんのデュオ「アルボリビエント」のファーストアルバムです。スペイン語でアルボル(木)とビエント(風)合わせて「Arbol y Viento」というピッタリなユニット名で、私は実はほぼ結成当初から関わらせてもらってきました。というのも、ギターの正木さんから「フォルクローレのリズムを学びたい」とオンラインレッスンを申し込まれたのがきっかけで、2020年秋には京都でのアルボリビエントの初ライブにも呼んでいただきました。※2
そんなデュオの渾身の作品は10月上旬に琵琶湖畔のスタジオでレコーディング。サポートメンバーが「ウタウアシブエ トリオ」というのも不思議なご縁です。夏の準備ライブ~録音~CD発売記念公演とほぼ同じチームで過ごしてきたので、とても思い入れのある作品です。オンラインのつながりからCD完成までたどり着いたというのは、私にとっても大きな出来事でした。※3
『羽風の舞う時』 収録曲
1.羽風の舞う時
2.五月の風
3.天色の紫陽花(あじさい)
4.Carnival
5.Doragon's Breath
6.鼓動
7.秋声(あきごえ)
8.黒風(こくふう)
9.雪柳の頃
10.コンドルは飛んで行く
11.桜薫染夜(おうくんせんや)
12.そよ風
Arbol y Viento (アルボリビエント)
勝野勉(ケーナ・サンポーニャ・フルート・ティンホイッスル)
正木良久(フラメンコギター・アコースティックギターほか)
智詠(フラメンコギター)
熊本比呂志(パーカッション)
岡田浩安(ケーナ・サンポーニャ・チャランゴ)
橋本仁(ケーナ・ケナーチョ)
桑原健一(チャランゴ)
Ren & Dai 『ケーナ二重奏』
Renさんと渡辺大輔さん、2人のケーナ奏者によるユニット名がそのままCDタイトルになっています。このCDはなんと「クラウドファンディング」で制作されたもので、2人を応援する多くの人たちの力が結集した作品です。私も1曲だけリモート(愛媛で自分のパートを録って納品)という形での参加、声をかけてくれてとてもうれしかったです。
渡辺大輔さんとはフォルクローレグループ「MAYA」をはじめ、数々のコンサートで何度も共演してきました。そんな大ちゃんから「ケーナ二重奏」のコンサートに誘ってもらい、Renさんと埼玉の私の実家で初顔合わせ&リハをしたのが10年前、2011年3月11日のことでした…。以来、復興支援を含めてRenくんのソロコンサートにも数多く呼んでいただくようになり、私が愛媛に移ってからも、2人とさまざまな形で共演してきました。
そんな『ケーナ二重奏』で奏でられる名曲たち。スタンダードナンバーの中にあってRen&Daiのオリジナル作品がひときわ輝いているように感じます。2人とまたご一緒できる日が待ち遠しいです。
『ケーナ二重奏』 収録曲
1.コンドルは飛んで行く
2.Love tree
3.君をのせて
4.シバの女王
5.エル・クンバンチェロ
6.モルダウ
7.あずさ2号
8.約束
9.朝霧
10.コーヒールンバ
11.名曲メドレー
荒城の月/花/浜辺の歌/ちいさい秋みつけた/カチューシャ
12.海の見える街
13.花祭り
14.小さな木の実
15.双光
Ren & Dai (ケーナ)
小関基之(ピアノ)
大島春生(ピアノ)
根木マリサ(ピアノ)
上杉彩乃(ピアノ)
熊本比呂志(パーカッション)
菅野朝子(バイオリン)
小野晃(ギター)
智詠(ギター)
CDの詳細はこちら(ケーナ奏者Renホームページ)
・2021年秋のリリース
・ケーナなど南米の笛をテーマにしたCD
・共演者の多くが自分と同年代のミュージシャン(熊本くんと全部一緒)
という共通点がありながらも三者三様の魅力がいっぱいの作品に関われたことにあらためて感謝しています。
※1 ウタウアシブエ トリオ 関連記事
CD 『鳥の歌』発売のご案内 (智詠ブログ”spac” 2021.10.27)
※2 Chiei's Report (note記事)
オンラインレッスンとオンラインパートナー(2021.8.19)
※3 アルボリビエントのライブ記事
アルボリビエント ファーストアルバム発売記念LIVE (智詠ブログ”spac” 2021.11.16)