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高校で留学して本当によかったのか

私は高校2年生の時にオーストラリアに1年間交換留学しました。今振り返って、高校の時に留学したのはよかったのか、振り返ってみます。

英語ができるようになった


高校の時、大学で専門を選んで勉強する前に、純粋に英語をがんばる機会があってよかったと思います。もちろん留学しなくても英語ができるようになると思いますが、私の場合は留学して英語を「話さなければならない」状況に置かれることで、上手になりました。
できるようになるまでは大変で、最初のクラス分けテストが全然できなくて泣いたり、指示されてもなにが起きているかさっぱりわからない状況が続きました。半年ぐらいはそんな感じでした。半年わからないって、なかなかですね…その後の半年は、だんだんわかるようになって楽しく過ごせるようになりました。

やっぱり、英語ができると色々便利で、街で困っている外国人を助けたり、大学院で英語の文献が出てきてもなんとかまとめられたりしました。

思春期にカルチャーショックをたくさん受けた

色々ある思春期に、カルチャーショックをたくさん受けたのもいい経験になりました。一番驚いたのは、留学当初は「うわあ、外国人がいっぱい」と思っていたのが、ある日「私が外国人なのか…」と気づいたことです。考えれば当たり前のことなのですが(それに気づいていないアホでした)、そうやってものの見方が異なることを体感できたのは大きかったと思います。
また、学校文化も違いや、多文化国家オーストラリアを見ることができたのも大きかったです。オーストラリアというと白人というイメージだった高校生の私、同じクラスに肌の色が黒い生徒がいて驚きました(当時の私は本当に視野が狭かった)。でも誰も特に気にしないし、むしろ留学生の私がいても誰も囃し立てないのでびっくりしました。
日本人だからと言って嫌がらせを受けるようなことはありませんでしたが、それでも「私、なんか見られてる?」というちょっと悪目立ちしている感じはありましたし、英語ができないことで自分の意見をうまく言えなかったり、発言する自信がなくなったりしました。それも含めて、マイノリティを体験できたことは、今の仕事につながっていると思います。

色々体験できた

留学中は、日本ではなかなか体験できないようなことがたくさん起きました。
オーストラリアの高校では色々なアクティビティがあって、特に体育は飛び抜けておもしろかったです。カヌーに乗ったり自転車で校外を走り回ったり、ゴルフコースに出向いてゴルフをしたりなど、日本の高校ではあまり体験できないようなことがたくさんできました。私は高校で吹奏楽部に所属していたのですが、オーストラリアの学校でサックスの個人レッスンが受けられるということで、サックスを借りてレッスンを受けていました。昼休みには他の生徒とアンサンブルをしたり、校内の音楽祭に出ることもできました。
私はたまたまいいホストファミリーに受け入れてもらえたこともあり、週末はホストファミリーの友達の家へよく行きました。英語もできないのにたくさん話しかけてくれて、豪快なバーベキューを食べたり、一緒にゲームをしたり。さまざまな年代の人に会い、色々な経験ができました。大学生のホストブラザーも面倒見が良くて、学校の送迎をしてくれたり、私が家にいると「ケンタッキー食べに行く?」とついでに連れて行ってくれたりしました。
冬休みには両親がオーストラリアに来たいというので、シュノーケリングをしたり動物園に行ったりなど、オーストラリアを満喫しました。(あと、英語のできない両親のためにホストファミリーやお店での通訳をするという経験もしました)。
あと、私は日本では先生の言うことはよく守る生徒だったのですが、留学中は英語がわからなくてルールを守れなくて怒られてしまうとか、テストが全然できないとか、劣等生的体験もしました。それも、それまでの私の人生にない経験だったと思います。
住んでいるところも生活パターンもガラッと変わるので大変なところもありましたが、日本にずっといたら体験できなかったことがたくさんありました。

人生変わった

留学すると、「留学した」というタグが自分につきます。大学に入った時の英語のクラスでも、「留学経験があって英語ができる層」と「高校までの授業を頑張っていた層」がいて、後者から「留学してたしね」と見られることもありました。高校時代には下校中の電車の中で「留学してもいいことない」と見知らぬおばちゃんに言われたこともあります(そのおばちゃんのお子さんなのか知り合いなのか忘れましたが、留学したら現地の悪い男の人に引っかかってしまったそうです。そんなことを初対面の高校生に話す電車…なかなか田舎でした。)。
これは良し悪しだなと思っていて、私はたまたま留学経験が広く活かせる仕事をしていると思いますが、「留学したのに結局英語(現地の言語)を使わない仕事をしているな」となる可能性もあります。
また、価値観も大きく変わると思います。私も留学経験のない友達と話していて「うーん、なんか違うな」と思うときがあります。そうすると海外の方が過ごしやすかったりして、また留学や仕事で…となるのかもしれません。
一度留学してしまうと海外で過ごすハードルが下がるので、それも考えものだな、と思います。私自身は楽しく海外で働いていますが、まさか両親は留学に送り出した後、こうなるとは思っていませんでしたでしょうから…

私は高校で留学してよかったと思っている

高校で留学するのがいいのか、それは人それぞれだと思います。私は中学生の時に「どの教科も平均点ぐらいは取ることができる、でも飛び抜けてできることもない生徒」だと思っていました。得意苦手がはっきりしている人がうらやましかったです。教科以外の得意苦手もわからないままでしたが、留学することで英語が得意科目になり、新たな経験をすることで得意苦手がわかってきたような気がします。人前で話すことにも慣れました。また、日本の高校では、同じ学年で留学したのが私一人ということもあり、色々な先生に名前を覚えてもらったこともちょっと特別扱いされているようで、私にはちょうどよかったようです。
そのように経験を積んで自信をつけ、大学に進学しました。大学では色々な人に会いますが、留学中にたくさんの人に会った経験が少しは役に立ったかもしれません。
そう考えると、高校のうちに1年間海外で過ごすことができたのは私にとって良い経験だったと思います。

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