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デンマークと私
デンマークは、私にとって特別な国です。
ほぼ、心の故郷と言ってもいい。
その、大事な国と、デンマークの人たちと繋がり直す時間がありました。
私のヨーロッパ体験は、高校卒業後に留学したフォルケホイスコーレまで遡ります。デンマークの、ギャップイヤーやちょっと学び直しをしたい人向けの、成人教育の学校。たいていが寮生活で、頭、身体、心を使って美術や語学などを半年間くらい学びます。
この学校のことを知ったのは、高校の図書館でした。なにせ日本で初めてに近いようなオルタナティブスクールだったので、卒業後に留学する人も多かったのです。例にもれず、私も高校在学中から「卒業後は海外に行きたい」と考えていました。もっと世界が見てみたかったし、なにせ当時から語学フェチだったので、自然な流れに感じました。
その中でもなぜデンマークか。高校の授業で北欧諸国について勉強した時、民主社会主義が発展していて福祉に力を入れているのに感銘を受けたのが大きい理由かもしれません。高校3年生になって図書館で留学関係の書籍を漁っていたらフォルケホイスコーレについての本があり、そこから短期留学の道が拓けました。そして、ちょうど19歳から20歳になる半年間、外国人のためのデンマーク語コースのある全寮制のスコーレで過ごしたのです。
中学生の時にカナダでの姉妹都市交流事業に参加したり、高校生の時に習っていたハングルの先生が企画してくれた韓国でのワークショップに参加しに行ったりで、海外自体は初めてではありませんでした。でも、日本以外の国に何ヶ月単位で滞在した経験はそれまでなかったのです。
高校を卒業して次の年、19歳の冬。そもそもヨーロッパに来るのも初めてだった私。初めて1人で飛行機に乗り、シンガポール経由でやっとコペンハーゲンについたのことはとてもよく覚えています。当時はまだインターネットも黎明期で、留学先の学校とのやりとりはなんと、ファックスでした。航空券は旅行代理店を通して買い、学校に到着するまでの数泊のユースホステルは、どうやって取ったのだろう。観光にしろ交通機関の使い方にしろ、某黄色いガイドブックを駆使していたのではないかと想像します。
その私の一番最初のヨーロッパ体験の中でも特に印象に残っている出来事が2つありました。ひとつは、デンマーク出身の彫刻家のトーバルセンの美術館に行ったこと。私は小さい頃からピアノを習っていて西洋芸術をベースに育ったのですが、初めて自分の身体でヨーロッパの地に立ち、古い街並みを目にしたコペンハーゲン。どっぷりとその文化の中に足を踏み入れ、全身で雰囲気を感じ取る中で彫刻を見て、私がヨーロッパを見たこともなしに表現しようとしていた西洋音楽ってなんだったんだろう、と考えたのを強烈に記憶しています。
もうひとつの出会いについては、また次回。
(写真は、10月に訪れたシルケボー近郊の湖です。カヌーやマウンテンバイクなど、デンマークでも特に自然の中の活動が盛んな地域とのこと。今度は夏に行きたいです。)