世界でいちばん説得力のある"LOVE"
2024年10月14日(月)、12TH MINI ALBUM『SPILL THE FEELS』でSEVENTEENがカムバックした。タイトル曲は「LOVE, MONEY, FAME」。つまり、愛、カネ、名誉だ。
「ウマゲシン (God of Music)」では「この世に音楽の神様がいるのなら ありがとうと抱きしめたい」と歌い、「ソノゴン (Super)」では「I Luv My Team おかげで僕らは まるで孫悟空になった気分だ」と歌ったSEVENTEEN。挑発的なタイトルとは裏腹に、いつでも謙虚な言葉でファンへの愛を伝えてくれる。そんな彼らが「LOVE, MONEY, FAME」という欲望まみれのタイトル曲でどんな愛を届けてくれるのか___。
その前に見てーーー!MVのサムネーーー!わたしのすきな人ことドギョムですー!YouTubeを開くたび登場する薔薇を持った好き男、最高感謝。
初めて「LOVE, MONEY, FAME」を聴いたとき、「BOOM BOOM」のお兄さんみたいな曲だなという印象を受けた。音楽に疎くてジャンルとか細かいことはわからないんだけど、「BOOM BOOM」を歌っていた人たちだから、こんなにスタイリッシュに歌い上げられる曲という感じがした。
歌い出しのミンギュのオシャレボイスがとにかくすごい。わたしは元々ミンギュの歌声が好きだけれど、ちょっとアンニュイな発声が、今回の曲調にぴったりだ。DJのスクラッチみたいでかっこいい。
ホシくんの声もとても良い。うまく説明できないけど、ホシくんの歌声っていつも切ない。でも、絶望的な切なさでなく、どこか光を感じるような切なさ。ワクシュワクシュ(生まれて初めて使う擬音)みたいな発声は、独特のリズムがあって歌まで踊ってるみたいだ。直前の同メロディーを歌うディノのときは晴れてたのに、ホシのときは小雨が降ってるようなイメージ……何言ってるかわかる……? わたしは途中からよくわからないまま、書き続けてるけど。
ミンギュ → ジョシュア → ディノ → ホシのパートに続くのはエスクプス。ここから始まる、SEVENTEENが伝えたい想いが凝縮された歌詞を見てみよう。
はぁぁぁぁぁ〜〜〜〜やっぱりSEVENTEEN!!!!!!!!!!!!!
タイトルから受けるイメージの通り、「人々が求める”愛 カネ 名誉”をすべて手に入れた俺たち」について歌っても別に構わない。だって事実だし。だけど、〈But only want you〉。 これぞ SEVENTEEN。
歌に戻って、バーノンパートの”Ice cream”は何度聴いてもやばいし、そこからのミンギュパートもやっぱりやばい。ヒポチ is YABAI。やっぱりこういうラフな曲にはヒポチの声が似合う。HIP HOP要素があるから、当然といえば当然だけど。でも、ウジの気だるい"baby"もやべえ。何あの甘美な雰囲気……。
ちなみに、クプスパートから曲が終わるまで、先立って公開されたトラックサンプラーが後ろで鳴り続ける構成になっているから、その音を追いかけて聴くのも楽しい。
そして、このトラックに初めて歌詞がのるパート、それを担当するのがジョンハンです。痺れた。MVの中で〈What is Love…?〉と問う男が、みんなからの愛を受け取った結果、導き出した答えがここに。
心、大切に預からせていただきます😌
ラストのパートはドギョム。メインボーカルであるドギョムとスングァンが同じ歌詞パートを歌うときに、歌声を聞き比べることが趣味のひとつなんだけど、今回も良い!渇きのドギョムに潤いのスングァン。メボズの技術力と感情ののせ方のバランス、さすがだ。
メボズに関しても前述した晴れと小雨の話と同じで、スングァンは声に水分が多くて切ないイメージなのに対して、ドギョムは淀みのない澄んだ声と言えばいいだろうか。同じ歌詞なのに、違う温度って感じがたまらなく好き。
今回の歌詞=ウジくんが紡ぐ歌詞の素晴らしさは、LOVEの偉大さを伝えるために、MONEYとFAMEを否定しているわけではないところだ。SEVENTEENにだって、LOVEしかなかった時代もあったはず。ただ目の前の仕事に対して愚直に取り組んできた道のりで、LOVEもMONEYもFAMEも手に入れた。
だから、決して「人生において大切な要素の第一位はLOVE」と言いたかったわけでなく、すべてを手に入れた結果、やっぱりLOVEが大切、君の愛だけでいいと歌ってくれる。こんなにも説得力を持って愛の大切さを語れる人間がSEVENTEEN以外にいるだろうか。
メインで歌詞を書いているのはウジくんだけど、SEVENTEENのメンバー全員がこの価値観を共有しているはずだ。それぞれの価値観を否定しない彼らだけど、彼らの根底にある価値観は同じように思える。それは、さまざまな価値観が構築されていく多感な10代のころから、一緒に歩んでいることが大きく影響しているのではないか。
どのタイミングで関係性が生まれたか、というのが価値観には大きく影響する。学生時代をともに過ごした友人、社会に出てからできた友人、子どもの親同士として出会った友人……など、ライフステージによって友人の幅は広がるが、それぞれ関係性や価値観は異なるように思う。
なかでも、学生時代からの友人とは、価値観を一緒に創り上げてきたという感覚がある。今でもお互いに影響を与えながら付き合っている気がする。SEVENTEENもその感覚に近いのではないだろうかと勝手に想像している。
10代で出会った友人と会うと、すぐに出会ったころの空気感に戻れるという感覚を体験したことがある人は多いだろう。成長を続け、キャリアを重ねてもなお、SEVENTEENから「青春」を感じるのは、その空気感が影響しているのかもしれない。売れるため、賞を獲るためにがむしゃらにがんばった日々を共に乗り越えてきたからこそ、愛の大切さを知っている。だから、いつまでもまっすぐで謙虚なんだと思う。
今回、SEVENTEENの音楽に対する愛について改めて考えた。わたしは、ドギョムのことが大好きで、SEVENTEENが大好きで、何よりSEVENTEENが届けてくれる音楽が大好きだ。だから、可能な限りその音楽を受け取ろうと、トレカやオフイベ応募券のおまけのような存在になってしまったCDをプレイヤーに入れる。そして、聴く(それはそう)。
そんなに繊細な聴力は持っていないはずだけど、やっぱりCDで聴く音楽は、配信音源にはない奥行きや立体感を感じる。配信音源でも消えているわけではないけれど、平たく潰されてしまっているような音が粒立って聴こえる(気がする)。ウジくんの音楽へのこだわりが聴こえるような気がして、うれしくなる。
こんな小さな方法しか思いつかないけれど、ウジくんをはじめとする制作陣とSEVENTEENが届け続けてくれる当たり前ではない大きな愛を、これからも伝えてくれる限り、大切に受け取りたいと思う。
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