なぜ、それを撮りたいと思ったのか。スマホカメラで撮る内的世界
カメラにくわしい友人から、スマホカメラで素敵に写真を撮るコツ、というのをときどき習っている。
彼女自身は、本格的なカメラをつかって撮る方が慣れている。
けれどわたしたちは、カメラの操作ではなく、構図など、より映える写真を撮るコツは、スマホカメラにも通じるところがあるんじゃないかなぁと勝手に思って、教えてと頼みこんだ。
その知人の撮る写真が、日常のなにげない風景にうつる陰や、見逃しそうな大切な時のうつろいを、繊細にとらえているように感じていた。その感性がとても好きだという理由もある。
わたしたちのカメラレッスンでは、まずレッスン日までの課題として、それぞれ好きな場面をスマホカメラで撮影してインスタグラムにのせる。
オンラインのレッスン日には、参加者みんなでその画面をみながら、撮影した人が「なぜ、それを撮りたいと思ったのか」を言葉にして、講師と対話する。
そのあと、ほかの参加者がそれぞれ感想を伝え、撮影者は、みんなの感想を聞いてまた感じたことがあったら話す。
*****
このカメラレッスン、わたしには、はじめに期待していた以上の学びと興味をもたらしてくれている。
「ステキな写真を撮るコツを知りたいなぁ。」というはじめの期待はもちろん満たされた。(まだ自分のステキを確立する途上にはあるけれど)
さらに惹きつけられるのは、「ああ、撮った写真のなかに、今のわたしがいる。」と、講師との対話を通して気がついていく過程だ。
わたしの奥底に住む何者かが、スマホカメラでうつした風景の向こう側から語りかけてくる。
撮ったときにはまったく気がついていなかった存在だ。
「この写真にしよう!」とたくさんのショットの中から選びだし、自分が「うん、そうだ。」としっくりくるまで編集する。
色味、構図の切りとり、明るさ、など、自分の感じと照らし合わせながら、その感じに近づくように調整する。
この時点でもまだ深く理解してはいなかった。
みんなと一緒に、あらためて自分が撮影した画像をながめ、講師の質問にこたえながら、ぐぐっと自分の核に近づいていく。
そして不意に気がつくのだ。
「ああ、ここにわたしがいる。」
*****
ここにのせる2つの写真は、この前のカメラレッスンの際に、わたしが提出した課題。
感じるものは何ですか?
*****
わたしは、1枚目の写真に『海をみている小鳥』とタイトルをつけたい。
すぐに思いついた。
2枚目の写真は…1枚目のようにサクッと頭に浮かばない。
向こう側へ / 手を伸ばす / 風に揺れるススキの穂…
こんな言葉たちの周辺に、何かわたしの求める言葉がある気はする。
『風にそよぐ 』
今のところ、このタイトルがいいかもな。最後の空らんは意図的に開けてみた。
*****
わたしはこの2枚を、ただその時いちばん気に入ったので、課題の提出としてインスタグラムにアップした。
あとあとインスタグラムの画面をみながら気がつく。
「この2枚、同じことを表しているんだ!」
構図が同じだ。
そして、そのあとのレッスン時の対話やシェアされた感想をつうじて深く理解が進んでいく。
わたしは編集する際に、右上の空間を広くとった。それが心地よかったから。
ここに深い意味があったとは。
この2枚が表している同じこと。それは、わたしの中に、つねに“ 未知の広大な何かを追いもとめている存在 ” が居るということ。
右上に広がる青の空間は、その未知の広大な何かを表している。
1枚目の小鳥は、とても小さい。だけど、凛としてその先を見つめている。
その小さな翼では、この広い空間の端に行きつくことはないだろう。
無限の宇宙の端には。
だけど分かるのだ。どちらに進めばいいのかは。
ここまで思ったとき、「渡り鳥は磁場を感知できるために、かなり正確な方向感覚をもつ」という話を思い出した。
そして、わたしのこの小さな鳥にもきっと、その感覚は備わっている気がする。
2枚目の写真は、晩秋の陽射しをあび、風にそよぐススキの穂が美しいと感じて撮った。
この角度がよかった。
小鳥の写真の秘密に気がついたあと、わたしは自分が、強い風にそよぎ、穂を乱しながらも先へ伸びようとするススキに惹かれたわけに納得をした。
光の方を見つめながらも、“ 今 ” という風に揺られ、惑いつつ髪を乱し、地上から懸命に手をさしのべている。
そんな姿にみえる。
*****
わたしが追いもとめる未知の世界とは、いまは、占星術でみる宇宙のしくみ、と人のこころ。
ちょうどこんな記事を書いていたら、参加している占星術の研究会について、ファシリテーターの方が書いていらしたのでご紹介。
そう、こういう研究に夢中になっています。
*****
さてさて。
わたしが上にのせた2枚の写真、「感じるものは何ですか?」への問いかけに、何か言葉になったものはありますか?
わたしが感じたのとおなじとは限らない。
それはきっとあなた自身の中に秘められた何か。
*****
募集中です。
このカメラレッスンは、ファニーアップル修了生の活動なんです。
ワークが進むにつれ、それぞれの方の個性や創造性がさらに輝きだします。
それを共に愛でられる、そして自分もそのエッセンスをもらって進化する、体験。世界を素晴らしく感じます。