ホームセンターは熱い:技術の進歩を気軽に体感できる場所
CAMUIロケット(カムイロケット)は、民間の企業が開発にとりくみ打ちあげ試験をおこなっているロケット。
ドラマ化された「下町ロケット」のモデルになったともいわれている。
宇宙開発という壮大な事業に、北海道の町工場がとりくんでいる、というのを知ったとき、わたしは驚き目を見はった。
その企業、植松電機の植松務さんが著した『空想教室』を読んで、さらに驚き目を丸くすることになる。
カムイロケットの全体の形をつくっているのは、鉄よりも固いプラスチック。これがホームセンターで買えるっていうのですから。
技術は気がつかないうちに発達している、
人類は意外とがんばっているのだ。
過去にできないと言われていたこと、
ホームセンターにいけば、解決するかもしれませんよ
(植松さん)
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ホームセンターは楽しい。目的のものを手にしたあとにもウロウロとして、家電や文房具や生活雑貨などをながめるのが好き。こんなものあるんだ~、とアイデアにびっくりする。「おお、こういうのが欲しかった!」とさらに購入してしまう。
植松さんの本を読んだあとのわたしは、よくわからないながらも、工具や部品のコーナーもうろつくようになった。ネジやボルトの種類のおおいこと!
植松さんは、日本製のネジの精巧さ素晴らしさについても書いていた気がする。ネジの話は、日本製品を海外へ輸出する仕事に携わる知人からだったかな。
どちらにせよ、なんだかワクワクする。気軽に買って試作できる値段だしね。身近なあたりまえと思っていたもののよさを味わう。
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今日は、電球が切れたので、あたらしいものを買いにいった。
電球コーナーに行く途中でキャンプ用品のところで足止め。ガッチリとフタのしまる頑丈なつくりのキャリーケースに惹かれてしまったのだ。こういう容れ物系にわたしは弱い。手に取って、もち手を握りしめながら入れるものを考えたけれど、思いつかないのであきらめた。
あとは、いつもパトロールする文具コーナー。A2サイズのファイルがあるなんて、今まで気がつかなかった。ブック型のクリアホルダーがポスターも曲げずに運べる大きなサイズ!いい。とくに要らないけれど欲しくなる。だけど今はほんとに必要ないからなぁ。じっくり眺めて立ち去ろう。
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わたしは何に気持ちを動かされて、この話を書きたくなったのか。
アイデアが形になって、日々、進化しているのを肌で感じられる。
自分でもちょっと手をかけるだけで、何かできるのではないか、とやる気を刺激される。
大発明や最先端のデザインというと遠い世界のよう。けれど、
「もっと身近に、創意工夫の世界はあるのだ」
「身近でありふれた場所ととらえがちなホームセンターの材料をつかって、思いもよらないすごいものを創りだせる可能性があるのだ」
「有名企業ではなくても、精巧なものづくりをしている企業の努力の結晶:すぐれた技術のたまものが、気軽に手にいれられる環境があるのだ」
と体感ができるおもしろさ、だろうか。
自分の内にあるアイデア、こうだったらいいなぁという不満。ホームセンターをみて歩くうちに、不満を解消しアイデアを実現する製品や材料をみつけられるかもしれないですよ。