公演型TRPG『いあてっぷ』行ってきた!
何を隠そう筆者はTRPGプレイヤーです。
普段はオンラインセッション(オンセ)と言って、Web上でゲーム用のキャラクターを作成し、友達とDiscordで通話を繋いで、その仲間内の1人が代表して進行役(キーパー:KPと呼ばれます)を担い、各々が作ってきたキャラクターをまた別のWebサイト上に持っていってダイスロールをしながら会話でお話を進めていく、という感じでTRPGを楽しんでいます。
そもそもこのTRPGという遊びはオフラインセッション(オフセ:対面で集まって遊ぶこと)が主流だったそうなのですが、コロナの影響でそれが叶わなくなり、オンライン用のツールが爆進化を遂げたことにより、今ではオンセ勢の数が多くなっている……ような気がします。ちゃんと調べてないので違ったらすみません。
かくいう私もコロナが始まってからTRPGを始めた人なので、今までずっとオンラインセッションしかやってこなかったんですが、そのオンラインツールの一つである『いあきゃら』さんが何やら【公演型TRPG】というのを始めるというので、それは行かなければ!ということで先日行ってきました。
だって本物ダイスをコロコロして遊びたい!!!!!!
4面ダイスとか20面ダイスとかの普段触らない変な形のダイスをコロコロしたい!!!
「またまた……そんな幼稚なこと言っちゃって……」と思った方。侮ることなかれ。ダイスをコロコロ転がすの、めちゃめちゃ楽しいです。そろそろ20代後半に差し掛かる成人女性でも超楽しいです。ガチャガチャを回すガガガっていう感触が楽しいとか、ダイヤル式の数字ロックをカチカチ回すのが楽しいとか、それに通ずるものがあります。ダイスロールして良い数字が出るとウオー!ってなるし。
それで、結論から申し上げると、この公演型TRPGというのがとても良かったのでこの記事を書いています。この記事ではネタバレの無い範囲で『何が良かったか』『どういう人にお勧めか』を書いていますので、是非ご興味のある方は読んでいってください。
1.KPさんの進行が上手い
これは流石店舗というべきか、KPさん(進行役)の進行がすごく上手でした。本当にありがとうございます。進行にかかるストレス・タイムラグがゼロ。NPCのロールプレイから進行に切り替わる時のトーンの調整や、場面によってはBGMへの音ハメまで!これは同じシナリオを何回も担当して回しているからこそできる強みですよね。すごかったです。
店舗の中はやや狭め、5人全員着席すると結構ぎちぎちな印象を受けはしましたが、KPさんが全体を見渡せるという意味ではある種正解の狭さだったのかもしれません。
仲間内でTRPGをしていると「このシナリオ面白そうだよね!」となった時に大抵誰かがネタバレを踏んでKPを担うことになるのですが、店舗型であればその心配もなし。進行は信頼のスタッフさんに全部お任せして、お友達全員で一緒にプレイヤーができます。
ゲーム後物販でシナリオブックを買うこともできるので、自分が遊んだら今度は更に別の友達に布教したい!というケースにも抜かりはありません。シナリオブックにはオンラインセッションツールccfoliaで使用できるデータもついているので、準備も楽々です。
ちなみに、今回はオンラインセッション熟練者5人(うち4人はオフラインセッションは初めて)で行ったので進行はかなりガツガツ行く感じでした。KPさんがお上手なので初心者でも問題なく遊べるかと思いますが、公式HPのQ&Aには
と書いているので、完全初心者にはちょっと大変かもしれません。私も終わった後はかなり脳みそが疲れきっていて「今日この後はなにもできんな……」と思いました。
逆に私のような「オフセは1回もやったことないけど、オンセのCoC6版は任せとけ!」という方は全く問題ありません。どうぞ行ってらっしゃい。
2.照明演出が強い
いあてっぷさんは『オンラインではなくオフラインでやる旨味をどこまで引き出せるか』に特化して沢山の工夫をしてくださっているのですが、その中でも特に印象強く残ったのが照明演出でした。
”没入感”というフレーズは近年かなり流行りだと思いますが、かなり多岐に渡る照明演出(具体的なものはシーンバレに繋がりそうなので内緒です)が、部屋全体、そして見知った友人の表情さえも見違えるような効果をもたらしてくれます。公式HPにも『壇上に立つような』という文句がある通り、KPもPLも全員が舞台の上に立つような没入感はまさにオフラインならではと言えるでしょう。
加えて音響にも力が入っているので、シーンが切り替わった時の緊張感はひとしおです。そしてその中で命運を決めるのがあなたの手に握られたダイス……となるとワクワクしてきませんか?ワクワクしそうなら公演型TRPGおすすめです。向いてます。
3.小道具が可愛い
オフラインで遊ぶののメリットって物を実際に触れることだと思うんですが、その物が可愛いとテンション上がりますよね。これってすごく大事なことだと思うんですよ。
このnoteのヘッダーにもなっているんですが、ダイスがめっちゃ可愛い。しかも1人1人のダイスセットが試験管にまとめられてテーブル中央にセットされていたのでテンション爆上がりでした。
会場のお手洗いにもシナリオに関連した小ネタ・小物が仕込んであって、「こういうの好き~~~!」ってなりました。こういう細やかなアイデアは、店舗さん側がシナリオのことを大事に愛しているんだなと感じられて嬉しくなります。
他にもキャラクターのHPやSAN値を管理するボードのデザインが素敵だったり(その上使いやすい)、カードのデザインも良かったり……これ以上の言及はネタバレになっちゃいそうなので避けますが、オフラインだからこそ演出できるリアル感がかなり強く出ていて楽しかったです。身内で遊ぶときにこれだけのものを用意しようと思ったら、労力的にも金銭的にも負担がかなり高いと思うので、店舗ならではの体験なんじゃないでしょうか。
4.システムが面白い
私が遊んだのは『泉下ノ葬送』というシナリオだったんですが、公式HPにもある通り独自のハウスルールが適応されているシナリオでした。具体的には『鞄』と『パークカード』です。
『鞄』は簡単に言うと、持ち物を持てるストレージ(容量)が物理的に決まっていて、その中に収まる物しか持てないというシステムです。つまり、シナリオ内で登場するアイテムのうち何を持って何を捨てるかを文字通り取捨選択する必要があるというわけですね。
このシステムの面白い所は、おのずと各キャラクターが何を大事にしたいかが浮き彫りになってくるという点です。『泉下ノ葬送』は秘匿ハンドアウト制シナリオ(公開情報のほかに、そのキャラクターだけが知っている情報や状況・目標があるシステム)なので、開始時点では他のキャラクターのことをあんまりよく知らないのですが、鞄システムのおかげ(せい?)で「あの人にとってはこれが大事なんだな……」というのが分かり、そこから人物像が見えてくるんですね。バレるという言い方もできます。
また、パーティー全体で効率よく物を持とうと思うと「ごめんこれ代わりに誰か持てませんか!」「今割と鞄空いてるけど困ってる人いない?」という連帯感が生まれてくるのも良かったです。
『パークカード』はキャラクターが一時的に負うデメリットや制約をカード化したものです。こちらもいあてっぷさんオリジナルの内容になっているのですが、バリエーションに富んでいて面白かったです。どんなカードが面白かったかを言いたい気持ちは山々ですが、これについては現地で体験してもらった方が楽しいと思うので内緒にしておきましょう。それにしても良いシステムだったので、ccfolia版zipパッケージで販売してほしいぐらいです。
5.こういう楽しみ方も
今回私は友人5人の貸切卓で参加しました。私は【HO3:霊感のある探偵】というハンドアウトをもらっていたので、「メガネっ子にしよう!」と思って伊達眼鏡をかけて集合場所に行きました。普段は裸眼なので駅集合のはずの友人にあやうく見過ごされかけましたが……。眼鏡の理由を説明すると、「僕公務員のHOだったので久しぶりにスーツ着ました」という人や、「僕のキャラクター韓国語を技能で取ってきたので韓国語テキスト持ってきたんですよ!」という人がいて、それがすごく楽しかったです。
筆者はTRPGプレイヤーでありながらマダミスプレイヤーでもあり、特にオフラインでマダミスを遊ぶ人達はいわゆる『衣装揃え』で遊ぶこともあると思うのですが、そういう遊び方も!できます!
コスプレ……とまでは行かなくても、小物を揃えて雰囲気を楽しむこともできそうです。公式HPのQ&Aにもしっかり「コスプレOK」の旨が記載されています(着替えのスペースはほとんどないのでお気をつけて!)。もちろん必須ということではありません。遊び方の一つとしてどうぞ。
また、施設内は飲食自由(飲酒はNGです)なので、おやつを持ち込むことができます。前日にお菓子コーナーでおやつを選んでいる瞬間は完全に遠足前の小学生の気分で楽しかったです。結構頭を使うので糖分を持っていくのがおすすめ。友人の1人が持ち込んだチョコレートのバラエティーパックが人気を博していました。
公演型TRPGいあてっぷでは、~2024年1月31日まで私の遊んだ『泉下ノ葬送』を開催中とのことです。その後ろの予定は公開されていませんが、新しいシナリオについても準備中とのことなのでとても楽しみです。
泉下ノ葬送を遊びたい方はお早めに!
この記事が皆さんの興味の一助になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!
追伸:私達の卓は全員ロストでした。仇を取ってね。
◆公式HP
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?