花の終わり
夜露に濡れる花たちが
キレイに見えるのは
お昼のあいだに愛されたから
朝露に微笑む花たちが
切なく感じるのは
ひとりぼっちの夜を過ごしたから
時間は止まることなく
無情にも過ぎていく
個々の感情など
ゴミに等しい
だからとて
なにも出来はしない
感情が深まるほど重い
それをわかっていながら
綺麗な花を
何度も何度も
咲かせようとする愚かさ
そんな愚かさが
ひとひらひとひら
散っていく
花の終わりは
儚くも愛おしい
そんな小さな花びらに
痛みはあっただろうか
最後は
燃えて跡形もなく
散っていく