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詩 生きるという事

生きるという事

自分の体が

少しずつ老いていく

シワが増え、ハリがなくなり

あんなに

頑張って痩せたのに……

ただのお婆さんになっていく

神様はなんで

なんでこんな生き物を

作ったのだろう

命あるものすべてに

消費期限がつけられる

朽ちていくのもそう



数年前

キレイに死にたくて

痩せることを決心した

それに合わせて

少し年より若めの服を選んだ

今まで着れなかった服を着て

少し嬉しかった

なんで早く気づかなかったと

後悔した


願かけのように

足の爪を伸ばした


何も願いは叶わなかった


毎朝、毎晩

仏壇に手を合わせ

助けてとお願いした

誰も助けてくれる人は

現れなかった


何も持ち合わせるものもなく

才能も財産も美貌でさえ


そんな人間は

わがまますぎて

わがまますぎるから

寂しいエピローグを

与えられるのか

人は

なんのために生まれ

なんのために生きるのか


生きる意味なんてなくていい

でも本当は

みんな意味が、欲しいはず


お一人様でも

ぜんぜんさみしくない

心の底から思う人は

どれくらいいるだろう


私は

寂しくてしょうがない

程よい騒々しさが心地よい

でもそれを理解する人は

埋めてくれる人はいない


明日の天気を気にするより

明日食べるものを考える

食べなくていいのに

お腹がすく

子供の頃から

食だけは衰えなかった


もっともっと

醜くなる前に


ちょうど

ちょうど時を図ったように

いろいろなモノがなくなり

合図が送られた


今よ

そう言わんばかりに

しがみついた現世が

離れていく


今よ

楽におなりなさい

本当の自分に

お戻りなさい


そして


静かに

お眠りなさい


今よ


賽はなげられた


















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