あの頃は、大人になったらユーミンくらいの感受性が身につくものだと思っていた
なんとなく、梅雨の時期はくるりを、秋と冬の狭間にはユーミンを聴きたくなります。季節の変わり目はくぐもった感じの音楽が合う気がして。朝夕の通勤のお供、今週はユーミンウィークでした。ヘッダー写真の、荒井由実時代の曲を集めたアルバム。
このアルバムは、小学校4年生くらいのときに生まれてはじめて買ったCDです。その少し前に、母が持っていたカセットテープ(!)で「埠頭を渡る風」にハマって、夜寝るときも布団にもぐってイヤホンで聴きまくっていたんです。聴きながら寝落ちして、カセットプレーヤーは電池の限りA面B面をリピートして……を繰り返した結果、テープがダメになってしまって。当時は曲のタイトルも知らなくて、とりあえずベストアルバム買っとけば入ってるだろうと思って買った……が、入ってなかったという(笑)。ネットだスマホだの今では考えられない「賭け」ですね。
でも、「魔女の宅急便」で馴染みのあった「やさしさに包まれたなら」と「ルージュの伝言」が入っていたから、それをとっかかりにこのCDはかなり聴き込みました。「ルージュの伝言」を家でノリノリで口ずさんでいたら、母にすごい顔をしかめられましたけどね。「外で歌わんといてよ!」って。当時は「なんで???」だったけれど、そりゃそうだ。小学校4年生がそんなの歌ってたら、「ちはるちゃん家のお父さんって……」と勘繰られても不思議じゃない。父、濡れ衣。
にしても、ユーミンは偉大だなぁ。胸の内を情景に託すのが、秀逸です。「雨の街を」の「夜明けの雨はミルク色」「夜明けの空はブドウ色」なんて、何をどうやったら思いつくのよー! と凡人は歯ぎしりしきり。同じ「雨の街を」の「誰かやさしくわたしの肩を抱いてくれたら……」からのくだりを脳内カラオケで熱唱しながら、通勤路をひとり練り歩いています。
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