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Radio Chidorian #14
始まりましたRadio Chidorian。
ただの音楽好きが、気に入った新譜を中心に紹介していこうという、押しつけ型マンスプレイニング風 “読む” ラジオ番組です。
SpotifyのMusic + Talk機能が使えなくなりましたので、当番組はポッドキャストから文字で音楽を紹介する形に変わりました。
9月になりました。
いつもRadio Chidorianではゴキゲンな新譜を紹介していますが、今回は「号外」的に趣向を変えてお送りします。
新曲ではないけれど、これは良いぞ!カッコイイ!最高!というパフォーマンス動画がいくつか貯まってきたので、ここら辺りで一度吐き出しておかないと、となりました。題して『夏の終わりのライブ・パフォーマンス・ビデオ特集』!!
それでは、始めましょう!
M-1 Horsegirl - NEW NOW
Horsegirlはアメリカのロックバンドで、シカゴを拠点に活動しています。メンバーは、地元の青少年芸術育成プログラムで知り合い、2019年から曲をリリースし始めていますが、恐らく皆まだティーンか20歳そこそこくらいのはず。とにかく若いバンドです。
良い意味でプロっぽくない佇まいで、このビデオもとてもゆったりした良い雰囲気ですよね。おそらくMother Nightというのが、メンバーが参加していた青少年芸術育成プログラムなのではないでしょうか。まさにアットホーム。
そんな緩い雰囲気なんだけど、演ってる音楽はメッチャカッコイイってのが最高です。それは、音楽リテラシーが高くビジョンが明確だからなんでしょうね。
レコードショップでバッグいっぱいに好きなアルバムを入れて紹介する番組に彼女たちが出ているんですけれど、ほとんど知らないバンドばかり。私のリテラシーが低いってことなんですけどね。兎にも角にも、3人とも凄く楽しそうなのでご覧ください。(リンク:Horsegirl - What's In My Bag?)
ライブビデオの方は、18分ちょっとで6曲演奏しています。リラックスした雰囲気をお楽しみください。
M-2 Katy Kirby - Tiny Desk Concert
Katy Kirbyは、Spotifyでお勧めされるままに聴いて気に入ったシンガーソングライターです。
プロフィールを知らずに聴いていましたが、あらためて纏めてみましょう。
テキサス州スパイスウッドで福音派クリスチャンの家庭に生まれました。所謂学校には行かずホームスクールで学び、ナッシュビルのリベラルアーツカレッジに進んで英語を専攻しました。音楽は主に礼拝音楽を聴いていたそうです。
2018年から自作曲をリリースし始めました。2021年の1stアルバム『Cool Dry Place』で注目を集め、今年2枚目のアルバム『Blue Raspberry』をリリース。で、8月にTiny Desk Concert出演、とここまでWikipediaに書いてありました。
現在彼女はニューヨークに拠点を移しています。加えて、クイアであることを公言していて、2ndアルバム制作中にその事に気付いたそうです。
今年初めに公開された日本語のインタビューを見つけました。主に2ndアルバムについて話しています。(リンク:[CROSS TALK] Katy Kirby × kiss the gambler)
Tiny Desk Concertでは17分で5曲演奏しています。
歓声がいつもより高音なのは、サマーキャンプに参加している子供たちが見学にきているからだそうです。恐らくこれじゃないでしょうか。(リンク:Girls Rock! DC’s Summer Camp)
ギターを弾いている男性は、2ndアルバムの共同制作者Logan Chungです。リンクしたインタビュー中に頭をぶつけている人ですね。
前置きが長くなりました。では、聴いてみましょう。
M-3 イルカポリス 海豚刑警 - 《刺蝟 Live Session 》
次は、Radio Chidorianではお馴染み、かな?とにかく、私がアジアン・ロックに嵌まるきっかけになった記念碑的バンドです。
えー、一応ざっとおさらいしましょう。
イルカポリス 海豚刑警は、台湾の4人組ロックバンドです。ボーカルの伍悅さんが作った曲をライブで演奏するために結成されたのがスタートで、2019年にリリースした!stアルバム『豚愛特攻隊』が高評価を受け人気バンドになります。
台湾のバンドは「台湾華語+英語」という名前を付けることが多いのですが、イルカポリスは英語の代わりに日本語名を付けてしまうほど日本好きで、昨年、今年と来日し、私としても大変嬉しく思っています。
これはSNSにも書いたのですが、私が最初、彼女たちに抱いていた印象は、3分ほどのキャッチーなポップロックを演奏するバンド、でしたが、ライブではプログレバンドやジャムバンドみたいな大曲をやるし、2ndアルバム『羽球大報社』でもそうなんですよね。徐々に変化したのかもしれませんが、今のイルカポリスの持ち味が存分に発揮されているのが、この『刺蝟』かなと思います。
「刺蝟」はハリネズミのことで、コロナ禍を経て感じた、命とは、愛とは、人生とは、などなど言いたいことをたくさん詰め込んだ曲なんだそうです。10分以上ある大曲です。
このビデオの公開は今年の5月ですが、収録は恐らく昨年でしょう。この曲は音源化されていないんですけれど、ライブでは定番の曲になっています。
そんなわけで、このセッションでドラムを叩いているのは、惜しまれつつバンドを脱退した鬼々こと郭逸萱さんです。そんなところも胸熱ポイントです。
どんどん解説が長くなりますね。失礼しました。それでは、演奏を楽しみましょう。
M-4 Sierra Ferrell - "Don't Let Me Down" (The Beatles)
次はサクッと紹介、できるかな?
Sierra Ferrellはアメリカのシンガーソングライターで、フォーク、ブルーグラス、ジャズ、ラテンなど様々なジャンルを横断した音楽を作っています。
1988年ウェストバージニア州生まれ。彼女が5歳の頃に両親が離婚。母親とトレーラーハウスで暮らすようになりました。
幼少期から母親の聴いていたロックを聴き、学校ではクラリネットを演奏したり合唱団に参加、地元のバーでギターを弾いたりもしていたそうです。
成人してからはノマド生活を送るようになり、シアトルやニューオリンズでバスキングをして暮らしました。この時期は様々な音楽スタイルを吸収する機会になったものの、薬物の過剰摂取で「5回死んだ」と言っているそうです。そんな中で、CDを作り、YouTubeで配信し、知名度を上げていきます。
現在はクリーンで健康的な生活をしながらの音楽活動のようですね。
紹介する動画は今年の4月にカリフォルニア州タホで収録されたものです。モコモコの格好をしていますが、周りは雪が積もっていて寒そうです。
ここで私が一番注目したのはこの衣装なんですね。
彼女のライブビデオをたくさん漁って観ましたが、ステージ毎に趣向を凝らした衣装を着ていて、衣装だけじゃなく、メイクや小物使いなんかもお洒落で可愛いんですよ。音楽と同じように、いろんな文化を混ぜ合わせたような感じで、もう失礼ながら音楽より衣装の方が楽しみになっている節があって、ついに最近インスタをフォローしてしまいました。皆さんも是非どうぞ!(リンク:Sierra Ferrell (@sierraelizabethferrell) • Instagram photos and videos)
結局また脱線して長くなりました。
曲はビートルズのカバーです。こんな風にお客さんの気を引く選曲をしてバスキングしていたのかも、と思わせる演奏です。では、どうぞ。
M-5 LOSTAGE - COSMOS Session
ここまで律儀に順番に聴いてくださった方は結構な時間になりましたね。お疲れさまでした。でもみんな良かったでしょ?最後も中々良いですよ。
LOSTAGEは奈良を拠点に活動している日本のバンドです。2001年結成で現在までに8枚のフルアルバムをリリースしているベテランです。
正直私は彼らの曲を聴いたことがなくて、というのもSpotifyには音源を上げていないんですよね。だから聴かないっていうのも酷い話だとは思うんですが、接点がなかったんですね。
バンドじゃ食えないから辞めるわ、みたいなケースは多いと思うんですが、LOSTAGEのメンバーは、レコードショップだったり、レンタルスタジオ経営だったり、別の仕事をしながら音楽をやっているそうで、少し前に紹介したtoeのメンバーもそうでしたね。そのあたりの音楽活動に対する考え方を語っているインタビューが面白かったのでリンクを張っておきます。(リンク:LOSTAGEの五味岳久を訪ね、奈良へ。音楽をやめる、続けるとは?)
それが最近、ライブハウスのFEVERがおこなっている『FEVER TOURS』という企画がバンコクで開催され、そのライブに日本代表としてLOSTAGEが出演したんです。まあ当然ライブは観られなかったんですが、この渡泰したタイミングで収録されたビデオが、いつもチェックしているCOSMOS Sessionで配信されまして、それを観て気に入るという逆輸入パターン。有りがちですよね。
20分4曲のライブビデオです。どうぞ、お聴きください。
今回はこれで最後です。お付き合いありがとうございました。
次回はいつものように新譜を紹介したいと思います。ではまた次回をお楽しみに!
※今回紹介した曲は入れていませんが、これまで紹介した曲をまとめて聴けるRadio Chidorianのプレイリストを作っています。Spotifyのみになりますが、よかったらお聴きください。