見出し画像

大学生自転車日本一周旅三十六日目:福岡市から新山口駅まで

本編

 前半戦、中盤戦とクリアし、残すところ後半戦のみ。予定では、後半戦を終えるまで、すなわちスタートした寮に帰り着くまで12日かかることになっている。最速で行くと11日で行けるだろうけど、近畿で友達の家に泊まりたかったから、それを考慮して12という数字をはじき出した。約2週間。これまで5週間ほど自転車を漕いできたんだからほんのちょっとじゃんって感じなんだけど、やっぱり1日であっても行きたくはないわけ。しかも、大きい山というか山地を三回は越えなければならなかったから、それも嫌な要素ではあった。

 九州一周は、それまでに5日ほど休養(とはいえ運動したりもしたけど)を取っていたから、最初は特に元気に移動できた。そもそも前半戦の段階で、前モモの疲労というか筋肉痛というかよくわからない(3週間以上筋肉痛の状態で動かしまくったいるからこじらせていいる)がひどく、坂を登るとキューンと縮む感じ(絶対伝わらないけど、とにかく限界レベルで追い込まれているってこと)がしんどすぎて、「アッ、アアッ」とか言ってないと冗談抜きで耐えられなかったけど、九州での7,8割はその感覚を感じることなく漕ぎ進められていた。しかし、最後の方はさすがにそのころの感覚が少しずつ戻ってきてしまっていたから、しかも最後の最後で山登りがあったから、家にたどり着いた時はなかなかに疲れていた。

 家では、最初は一日休んでその次の日に出発する予定だった。しかし、実際は丸二日間のんびりゆっくり。なぜなら、野宿を予定していた日に雨が降るかもしれないという予報が出ていたから。すいません、言い訳です、ただ逃げただけです。だって疲れ残ってるし自転車きついんだもん。もう終わりたいっていうのが本音だけど、その次の日には気合を入れ直して、あと約2週間、頑張っていきます!

 そういえば、シラバスでリアルタイムって言ってた授業がオンデマンドに、オンデマンドって言ってた授業がリアルタイム配信になっていました。なんそれ。アナウンスぐらいせえ。

 なんとか気持ちを叩き起こして出発したはいいが、この日はあまり目新しいことはない。以前通った新山口から家までの道を通って戻っていくだけだから。実につまらない。かと言って道を変えるのも面倒だしな。通る道のマイナーチェンジはしたけど、さほど大きな変化はなかった。

 というわけで、お昼ご飯を食べた門司港までスキップ。と言いたいところだけど、小倉から門司にかけての狭い歩道で2回事故りかけた。あそこらへんは歩道が特に狭い。かといって車道に行くのは、交通量も多いから怖いし。グリップのところをフェンスに引っ掛けたり、ぶつかってバランスを崩したり。軽い打撲もしました。ああ、幸先の悪いこと。ここを広げる工事、頼んます。

 父方の実家は門司にあるので、門司自体は何度も行ったことがあるけど、ふしぎなもんで門司港に行った記憶は無い。なので、せっかくだからあのレトロな風景と焼きカレーを味わうことに。到着時刻自体が2時ぐらいだったからランチとかは期待せずに行ったけど、この時間でもちゃんと食べられる店があってくれた。ふう、危ない。なかなかに有名店らしい。めちゃおいしかった。そもそも、おいしいカレーとおいしいチーズを合わせるってだけでもやばいのに、それをオーブンで焼いちゃいますかーって感じ。おいしいの三乗。焼きたてでアツアツだったから、ハフハフしながらかきこむ。景色も手短にはなってしまったけど堪能し、二週間ぶりの本州へ。

画像1

 二回目の人道トンネル。もう慣れました。てか一回目も思ったけど、エレベーターに「迷子になった」っていうやつがあるけど、一本道のトンネルで迷うことあんの?わざわざ方向も書いてくれているのに?

画像2

 本州に戻ってからは、下関を戻り山陽小野田まで。ここまでは以前通った時と同じ道だから、その時を振り返りながら進む。そのままのルートで進めば宇部市に行くところだけど、今回は休憩明けで元気(なはず)だから、山道を通る可能性は高まるけれど、以前は避けた国道2号線にチャレンジすることに。この道を通れば、周りにコンビニ等はないかもしれないが、新山口まで遠回りをせずに直接戻ることが出来る。

 予想していた通り峠はあった。だけど越えた。もう5ギアを使いこなせるからね。成長。できないことが出来るようになる。それはできないことに挑み続けた結果。とかっこをつけておく。そりゃ5週間も自転車こぎまくってんだから成長していない方がおかしい。

 その後、自転車から「カランカラン」という音が急にし始めた。ハプニング??どこかの部品が外れたのかも。すでにがたは来ているはずだから、不安が募る。その部品らしきものは、運悪く横断歩道で落ちてしまった。信号はすぐ赤になる。一つの部品が欠けるだけで大事故になりかねないから、一旦ストップ。青になるのを待って、何が落ちたのかを捜索。だが、それらしき部品は全然見つからない。あったのは、錆び切ったの金属棒だけ。なんだ、落ちてる金属を一瞬巻き込んだだけか。ああひやひやした。何はともあれ自転車は正常っぽい(素人目)から良かった。

 その後は比較的すんなりと新山口駅まで戻っていけた。最後の方は国道2号線を自転車では走れなくなっちゃったけど、苦労もなくたどり着けたからまあいいでしょう。吉田松陰ポテチはやはり買いません。代わりに大分で無くしたタスキをまた百均で買い直しておいた。明日は野宿だからね。夜の命綱。

ルート

 国道3号線を通って関門海峡人道トンネルを通り、山口市まで国道2号線で移動。最後は国道9号線で新山口駅へ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?