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大学生自転車日本一周旅四十五日目:岡崎市から静岡市へ

本編

 良い場所を選んだはずだったのに、なぜかあまりぐっすりは眠れなかった。人が来てるような気がして、目を覚ましては何度も周りを見た。誰もいなかったけど。ただ、最近の成功した野宿と比べたら失敗なぐらいで、前半戦の野宿と比べたら上位に食い込む熟睡度ではあったと思う。起きたのは5時20分ぐらいかな。起きたらおじさんがウォーキングしていた。多分見られていない。いや、さすがに見られたか。まあ、どっちでもいいや。

 この日は静岡まで行きたかった。というか静岡まで行かないとホテルに泊まれないし。また、浜松市でお昼ご飯を食べたいとも思っていた。昨日の夜みたく、贅沢に二食食べちゃおうかななんて思ったり。そういえばこの日は東日本に久しぶりに戻る日。約一か月半ぶりぐらいかな。そもそも東日本ってどこからどこまで問題はあるけど。

 出発してからまずは国道一号に乗ったまま豊橋市を越えて県境近くまで行く。岡崎市当たりの高速道路の入り口で轢かれかけた。気が付いた時には真横を通過していきやがったからね。一瞬でも遅かったらさようならだったかもしれない。あぶねー。

 豊橋市街地に入るとさすがに道は広くなった。ちなみに、交差点で「自転車は歩道橋を通って渡ろう」みたいなことが書かれている歩道橋があったからおとなしく従おうと思ったら、その歩道橋は階段しか登る方法が無かった。バカにしてるでしょ。せめてスロープを作ってから書きなさい。もしくは別の迂回路を。

 静岡県に入るところで、国道1号が自動車専用道になっちゃうから、県境付近で道変更。ここの迂回は非常にスムーズでうまくいった。浜松市をを目指して、浜名湖を北に見ながら進む。浜名湖は見ている場所の問題もあるけどしょぼかった。やっぱり琵琶湖や宍道湖は別格なのか。一方南の海沿いにはちっちゃい島みたいなのがあることを発見。きれいだったから思わずパシャリ。

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 朝早く出発したおかげで時間が余っていたから、浜松城の前の公園でゆっくり。「さわやか」でハンバーグを食べるか、それとも「浜松餃子」を食べるか。いいえ、もちろんどっちも食べます。浜松駅の近くの店を調べて開店時間に合わせて出発。まずは30分開店が早い「さわやか」から。

 浜松駅前では危ないから自転車には乗っちゃダメらしいけど、その時はまだ何も知らなかったから事故らない程度にスピードを落として漕いでいた。そしたらよく街で「自民党政権反対」みたいなことを言ってるような連中のおばあちゃんから「自転車は降りなさい」って急にキレられた。まあ、自分が悪いってのは分かるけどそんなヒステリック起こすなって。あいつのせいで急に視線を集めてしまった。お前らがおらんくなれば道ももう少しは広くなるわい。あんな人がいっぱい通るところで需要のないことばっかやってるのも迷惑だろうけどな。

 駅そばのビルみたいなところにある「さわやか」へ。11時のオープン直後に行ったのに、土曜ということもあってすでに待ちの客がいる。浜松城前でゆっくりしている暇があったら並んどけっていう話だった。ハンバーグは関東でもうまい店いっぱいあるしなと開き直ってあきらめ、11時30分オープンの浜松餃子の有名店「むつぎく」に行くことに。また今度よろしく、「さわやか」さん。

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 「むつぎく」では開店前なのにも関わらず長蛇の列ができていた。迷ったけど、並ぶことにした。普通は複数で来るところに一人で並ぶ。出張マンみたいな人も一人でいたからメンタル的に耐えれた。日差しが強くて待っているにはしんどかった。だが、それ以上にしんどかったのがおなかの調子。多分、昨日の食べ過ぎのせい。もしかしたら胃もたれってやつかも。カツ食べた上にチャーハンとラーメンだもんな。本当に気持ち悪くて、餃子を味わえないかもとすら思った。「さわやか」に行ってたらお腹が死んでたかも。逆に餃子一本で良かったかもね。待ち時間が一時間以上もあったために、おなかは調子を取り戻してきてくれた。

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 一人で餃子の大(16個)とライスの大を平らげた。餡は結構野菜の割合が多い印象だった。宇都宮で行きたい店に行けなかったのも含めて浜松でリベンジできたのは良かった。多分報われた。でも個人的にはもっと肉々しいほうが好きかも。ただおいしかったのは事実。

 浜松からは海沿いを行く。本当は国道1号で行きたいけどほとんど自動車専用だからやむなく南側のほうへ。まずは御前崎まで行って、そこから焼津を通って静岡へという算段。御前崎市まではなかなか風が強くてしんどい。道自体も基本はずっと歩道がない。めちゃめちゃ危ないわけではないからいいけど、橋とかはやっぱり未だに少しひやひやする。なんか太平洋自転車道みたいなのもあったっぽい。ずっと案内板みたいなのがあった。だけど、海沿いに行くと遠回りだしさらに風が強くなるわけだし、とフル無視。

 御前崎市から抜けるときに少し山があったけど、そこを越えたら海沿いの道になった。なぜかテンションが上がりまくってしまい、ハイになって猛進していた。牧之原市を越えたら今度は海沿いとは言えない周りを田んぼに囲まれた道に変わった。ちょうど夕暮れ時だったのもあって眺めが非常に良かった。焼津市街に入り、静岡市へとを繋ぐトンネルに向かっていった。浜松市を抜けてからずっと店があまりなかったから、久しぶりの市街地。道沿いに店が一気に増えた。自転車の空気が心配だったからサイクルベースあさひへ。

 今の自転車はタイヤの空気圧に気を付けなければならないやつで、いつもは空気入れを店員さんに任せていた。当然メーター付きの空気入れの使い方もいまいちわからない。だけど、店頭に「ご自由にお使いください」で置いてあるその空気入れを見て、なぜか自分でやろうという思考に。何でこんなところでリスクを抱えようとするのだろうか。ミスってパンクでもしたら命とり。前半戦が終わった後みたいに次の日空気が抜けてたなんてことがあるかもしれない。結果として、うまくパンパンに入ったからよかったけど。あとはミスで空気が入りすぎてて、ちょっと漕いだら「パンッ」って中のチューブが破裂しなければ(高校生の時に経験済み)。ちなみに、前輪の空気入れのところを留めるあの黒い部品(空気を入れようと思って地面に置いてたらどこ置いたかわからんくなって無くすやつ)が知らない間に外れてしまっていた。最後に自転車を見てもらったのは京都府福知山市だから、そこから静岡までのどこかに落ちている。こわ。なんかのミスで空気が抜けたりしないといいが。

 焼津から静岡まではトンネルで一本。トンネルがあるだけラッキー。しかし、ギリギリになって判明したんだけど、そのトンネルは自動車専用だった。となると、どうやら静岡市に行くには山道を越える以外に方法がないらしい。いや、何のためのトンネル?歩行者・自転車には優しくない道ばかりだ。時刻は18時ごろ。急遽山登りが決まって落胆しつつ、もう行くしかない。ということで勢いでぶっ飛ばしてぶっ登ってやった。昼間だったらギアを下げてゆっくり登るところをずっとギア6のまま足を動かしまくる。早く終わってくれい。そう思って頑張って漕ぐ。もちろん歩道はない。最初は車も通ってトンネルとかでは危なかったりもしたけど、途中からは反対車線からは来るものの自分の車線からは一切来なかった。それも幸いして安全に最後まで登ることが出来た。登ったら今度は下り。後ろも来ないし超気持ちよく下り降りて爽快感を全力で味わった。

 静岡市内はそんなにきつくなかった。長めの橋があったけど、そこは山を越えたこともあってハイテンションで歌いながら渡った。静岡県庁はは時間の問題で暗すぎてうまく写真撮影が出来なかった。静岡駅に自転車を止めていったんホテルへ。駅のそばなのに、歩道がないところがあって危ない。まあ、歩きだったからいいけど。

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 ホテルではだらだらし、その後ご飯と飲み物の買い出しへ。ただし、静岡駅付近にはスーパーがない。まずは700mぐらい歩いて最寄りのスーパーへ。マップの閉店時間をあてにしていたが、なんとそれは正しくなく、行った時には閉店作業をしていた。もう最悪よ。一回だらだらしたのが悪いけど。というわけでさらに700m先のスーパーへ。往復30分位以上だよ。あーつかれた。明日は山梨まで山登り。想像するだけでキツい。

ルート

 岡崎市から豊橋市の南まで国道1号線で移動。その後県道417号線を走って国道301号線に合流し、国道257号線で浜松市まで北上した。浜松市からは国道150号線で御前崎市まで行った後そのまま焼津市まで北上し、県道416号線を通って静岡市へ入った。最後は静岡駅まで北上。


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