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【日常短編集4月号】001:壱村肇『お花見』

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今日は珍しく彼の家ではなく、最寄り駅で集合にしていた。お花見をしながらランチを食べられるレストランへ行く予定だ。

「・・・・・・」
「ど・・・どう、かな?」

着つけてもらった着物を見せるのにちょっと緊張していた私は、無言のまま私を見つめる彼の視線にそわそわしてしまって、つい自分から感想を求めてしまう。

きっと彼の事だから、否定的な事を言うわけはないと分かっているけれど、それでもやっぱりちょっと心配になってしまう。喜んでくれたらいいけれど、張り切りすぎッて思われたりしないかな、とかネガティブな思考もよぎるのだ。

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