【006:六箱 紫苑】2章『コッペリアの葛藤』24話♡
前の話
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みじかめー!ごめんなさい!
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2章24話
少し角度を変えたら挿入ってしまいそうなのに、紫苑くんはそうしてはくれない。それでもぬめったクリトリスを熱の塊で圧し潰し、更にはねっとりと撫で上げられているのだ。
「ん゛ぅッ♡ふッ♡」
あっさりと訪れた絶頂感に、クリトリスとその周辺の筋肉がひくひくと戦慄く。
紛れもない絶頂。
純粋な快感。
すっきりとした感覚を味わうと同時に、どこか物足りなさも感じる、そんな浅い絶頂感だ。
「ふぅうっ!ん゛ッ!んんん゛ッ♡」
でも、それは単一の絶頂でならばの話だ。まだ痙攣している状態のクリトリスをそのまま擦られ続けたら話は違ってくる。異様な快感とくすぐったさを混ぜ合わせたような、本能的に逃げ出さなければと思わせる強い刺激に、先ほどまでよりも強く脚を悶えさせる。
でもそれは、シーツを乱し、元々押しやられていた布団を、更に押しやった程度の事しかできておらず、まるで自分の体を逃がすことはできない。
口付けもやめてはもらえない。だから言語で訴える事もできず、手に至っては縋りつくように彼の手を握ったままでそれ以上何もできていない。
あ、あ、ヤバいこれ。出ちゃうかも、クリトリスばっかりズリズリ刺激されたら出ちゃうっ!
いつもの私の部屋であれば、シーツも防水のものであるし、こんな言い方はあれだけれど、後始末しやすい環境なのである。でもこの部屋はそうじゃない。掃除し慣れていない紫苑くんの部屋なのだ。シーツだって多分普通の物だ。それはマズい。あとで困るのは絶対私だ。
妙なところで頭が冷静になってしまい、陶酔していた快感に集中できなくなってしまう。
「んっ!んっ!!んんっ!」
「んー?どうしたのさ」
私が頭を動かし、キスから逃れようとしていると、流石にその必死さが伝わったのか紫苑くんはほんの僅かに唇を離して、それは楽しそうに問いかけて来た。
でも、その間も腰の動きは止まってくれず、それでもここで粗相をするわけにはいかないと思い、必死でおしっこを我慢するように下腹部に力を入れた。
「でぅっ、っぅあ゛ッやめてぇ゛っこりぇ出ちゃうっ!」
「いつも出ちゃうでしょう?」
「ぁ゛っあ゛っやだぁ゛っ!だって、ここ、ッ!紫苑くん、のぉ゛ッ」
紫苑くんは鼻の頭が触れ合う距離のまま、くつくつと喉の奥で笑う。
「ボクの部屋汚したくないの?うふふっいいよ別に。最悪ベッドごと替えたらいいだけだし。正直、これからも寝るのはあなたの部屋だろうしね?」
「でも、っぅ゛ぎゅぅっ、っっ、やだぁっ」
「うふふふっいいよ。我慢できるならしてくれて」
心底楽し気な彼は、私の返事を待たずに、また唇を塞いだのだった。