『君たちはどう生きるか』を観てすぐの感想
#ネタバレ ありです
こんにちは。工学系Vtuberの足立千鳥です。
運良く『君たちはどう生きるか』を公開してすぐに観られたので、せっかくなのでじっくり考えたり他の方の考察感想を見たりする前に現時点で思ったことを箇条書きで書いてみようと思います。
ふだんVtuber活動のひとつとして映画の同時視聴をする映画部という部活をやっているのですが、いつも感想全然うまく言えないので練習でもあります。
冒頭記載のとおりネタバレありですので、まっさらな気持ちで初見したい方は映画を観てから読んでいただけたら嬉しいです。
(以下ネタバレ)
音のこだわりすごい
昔の家って階段急だよね~
この監督ほんとおばあちゃん好きだな~
魚さばくシーンいいね
話の流れは児童文学っぽい(子どもが親との死別や確執や学校でのいじめなどを経験し、魔法の世界に連れられて、親の気持ちを知ったり精神的成長を経て、新しい環境を受け入れたり現実で頑張ることができるようになる、という形式)
でも千と千尋の神隠しみたいに主人公(子供)の経験とそれによって得られる成長に主眼が置かれているわけではなく、風立ちぬのように宮崎駿監督自身の経験や伝えたい残しておきたいことをお話や登場人物を通して描く方に重きが置かれているように思いました。心の運動をすること(ドキドキしたり悲しくなったり、子どもであれば経験として、大人であればたまの感情のお手入れとして)と教訓を得ることの2つのうちどちらかといえば後者が目的の映画で、なのでファンタジー要素があり子供が主人公でも、風立ちぬほどではないにしても対象年齢は少し高めなのかな
出典も引っ張ってこられないし真偽も定かではないものと思ってほしいのですが、宮崎駿って人は戦争を否定しながらも戦争の道具への強いあこがれがあることの葛藤を持っている人だと思うんだけど、宮崎駿の父親は戦中戦闘機の部品を作って設けた人だけど空襲から逃げてきた子供にチョコレートをあげてたみたいな話があって、そのことで父親にはポジティブな感情を持っているらしいんですよね。一方で高畑勲は焼け野原をさまよってもパン一枚恵んでもらえなかった体験があったり、富野由悠季は軍需で儲けた父親のことや両親の性格をどうしても許せない感情があったり、みたいなところがそれぞれの作家性に反映されてるんだろうなと私は思っていて、今回で言えば主人公の父親は(当時は結構あったことだと思うのですが)死別した妻の妹を後妻にむかえたり戦争で儲けたお金で物事を解決しようとしたり、後妻が主人公に赤ん坊のことを話したりするのは主人公から見てネガティブに描かれていると思うけど、それは父親のひとつの愛の形であるし、父親が主人公を助けるために刀を差して出ていくところなんかは富野由悠季は絶対描かないよね。主人公が戦闘機の風防を美しいですねって言うところとかも宮崎駿感ある気がする。富野由悠季はGレコでベルリの母親やアイーダの父親を(それぞれ教義に盲目的に従順であることや軍人としての在り方を守りすぎたこととかの肯定しきれない要素を残しつつも)愛のある親として描けるようになっているけれども義理の親としたもんね。んん~やっぱり作家性が出る部分が面白いな~って気がしますね
これ塔がジブリとかアニメ界で、大叔父は宮崎駿で、後継者問題があって、積み木の数は映画の数で、我々は塔の中での経験を覚えていてもいいけど外の世界でしっかり生きていくべきで、みたいな考察してる人いるかな……
ひとつだけ積み木を追加できるみたいな話はなんかいい話だったなと思いました
宮崎駿エッセンス特盛みたいに言われてた意味がよく分かりました。キャリアの最晩年になってそういう作品が出せるのっていいですよね。これまで磨いてきた技を全て出していくとか、仕事をする中でできた縁が活きていくとかいうのもいいし、作品の中で語られるメッセージも何十年も最大限の仕事をし続けた人が発するものだから重みが出てくる面があるよね。熱心に必死に長いこと仕事するってやっぱりかっこいいですよ
とりあえず一度観ての感想のまとめ:面白かったです。そのうち感想や考察がいっぱい出てくると思うので読んだり話したりするのも楽しみですね。